今日取り上げるのは、宮城県大崎市にある犬の飼育施設で火事があり、少なくとも30匹の犬が亡くなった件についてです。
この施設の経営者の20代の女性と従業員の30代の女性が軽いけがをし、「施設内を温めるためにヒーターを使っていた」と話しているとのこと。
他にも100匹ほどの犬を飼育している施設ということで、普段の飼育の様子、環境なども気になりますね。
火災の概要をまとめると共に、ペット飼育、流通の現実についても見ていきたいと思います。
最後までお付き合いください!
宮城県・大崎市 犬の飼育施設火災で犬30匹死亡の概要は?
仙台放送の報道内容を元に、事件の概要についてまとめます。
2021年2月22日午前9時ごろ、大崎市古川北宮沢の民間の犬の飼育施設で火災があった。
近くに住む人から「建物が燃えている」と警察や消防に通報があり、消防がポンプ車など10台を出して消火にあたった。
火はおよそ1時間30分後に消し止められたが、木造平屋の飼育施設が全焼したほか、隣接するプレハブの建物の一部が焼けた。
この施設の経営者の20代の女性と従業員の30代の女性が軽いけがをした。
また火事のあと、100匹ほどの犬の無事は確認されたが、少なくとも30匹は死んだとみられている。
従業員:施設内を温めるためにヒーターを使っていた。
警察と消防が火が出た原因を調べている。
引用 https://news.yahoo.co.jp/articles/82b24f5c53f5c9e2219f77edbc1ae4701d2bba73
参考動画はコチラ↓↓
130匹以上いたなかで100匹は逃がせたわけですから、経営者の方も従業員の方もベストは尽くしたのだと思います。
しかし、人間の過失による火事で、たくさんの犬の命が失われたことは事実。
本当に悲しい火災です。
ネットではこんな声が上がっていました。
(Yahoo!ニュース コメント欄より引用)
訓練施設や預かり施設では無いでしょう。
百数十の犬を、どう飼育していたか知りたいです。
亡くなったワンちゃんだって心が有ります生き物です。
物のような扱いだとしたら、なんの為に生まれてきたのか?。
本当に乱繁殖、多頭飼育崩壊、簡単に手放してしまう飼育放棄、
やめて頂きたいです。彼らにも心があります命もあります。
どうやったら130頭の犬がこの建物に入っていたのか?ケージを積み上げて入れておかない限り難しい様に感じる。
悪質な繁殖屋じゃないの?
個人の真面目にやってるブリーダーとこんな産ませ屋みたいのを一言で同じブリーダーと言うのも違うと思うが。
国は先ずこんな犬屋を潰すべき。
産ませて売るのがブリーダーでは無い。
これはただの繁殖屋の犬屋の産ませ屋だ。
この様な所の犬が卸されオークションにかけられてペットショップに売られる。
どう考えても健全な子は生まれて来ない気がする。でも国は大きなペットショップは潰さない仕組みに改正している。
だからこんな施設が有る。
熱かっただろうね。
しっかり供養してあげてほしいです。
犬30匹以上が死んだか 犬の飼育施設で火事 女性2人がけが〈宮城・大崎市〉(仙台放送)#Yahooニュースhttps://t.co/rPfF8PX5VN
ブリーダーだろうか・・管理がなってないよ。ヒーター入れときゃ良いって事じゃなく ヒーターの寿命や配線の点検を把握しなきゃ!犬たちのご冥福をお祈りします。— 白金虎(改) (@kazurin4280) February 22, 2021
現場について
火事は宮城県大崎市古川北宮沢の民間の犬の飼育施設で起きました。
飼育環境に問題はなかった?根本的な問題はもっと別のところにあるかも!
映像で見る限りは、130匹以上もの犬が暮らせるほど十分な広さがあるようには見えません。
一体、どのような環境で飼育されていたのでしょうか。
ヒーターが原因の火事ですから、ワンちゃんたちの寒さ対策はされていたのだと思います。
ただ、環境省が定める「5つの自由」を確保できていたのかどうかは疑問です。
動物愛護管理法の基本原則
第二条 動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。
2 何人も、動物を取り扱う場合には、その飼養又は保管の目的の達成に支障を及ぼさない範囲で、適切な給餌及び給水、必要な健康の管理並びにその動物の種類、習性等を考慮した飼養又は保管を行うための環境の確保を行わなければならない。
平成24年法改正により、以下の「5つの自由」が追加されました。
- 飢え・渇きからの自由
- 痛み・負傷・病気からの自由
- 不快からの自由
- 本来の行動がとれる自由
- 恐怖・抑圧からの自由
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引用 https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/tekisei/h29_01/mat01.pdf
130匹もいたら、行動に制限など出ていたでしょう。
結果的に「火」という恐怖まで与えることになってしまったわけですから、コチラの施設は飼育環境を見直すべきではないでしょうか。
しかし、施設側ばかりを責めるわけにはいきません。
なぜなら、ペットの需要は増しているからです。
一般社団法人 ペットフード協会のデータを参考にしてみましょう。
犬の飼育率は経年で低下傾向がみられ今後の飼育意向も低下傾向。
猫の飼育率および飼育意向は横ばいとなっている。
その中で1年以内新規飼育者の飼育頭数は、犬・猫共に19年と比べて増加しており、増加率もそれ以前の年に比べて大きいことから、コロナによる影響がうかがえる。
引用 https://petfood.or.jp/data/chart2020/index.html
一事が万事で、物事はつながっています。
ペット需要にこたえるために、キャパオーバーな状態で飼育していたのではないか?
そんな可能性も考えられるのではないでしょうか。
そして、決して目を背けてはいけないのが、以下の現実。
年間5.6万頭もの犬や猫が行き場を失い、最終的に殺処分されています。
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引用 https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/tekisei/h29_01/mat01.pdf
今回の火事は、犬の需要と供給の不均衡、そして人間の傲慢さと身勝手さを突き付けるものだったと思います。
ペットオーナーの一人として、私も重く受け止めました。
まとめ
宮城県大崎市で起きた犬の飼育施設の火災についてまとめました。
ポイントを整理します。
- 2021年2月22日午前9時ごろ、大崎市古川北宮沢の民間の犬の飼育施設で火災があった
- この火事で、100匹ほどの犬の無事は確認されたが、少なくとも30匹は死んだとみられている
- 背景には犬の需要と供給の不均衡による飼育環境の悪化(キャパオーバー)も要因の一つとして考えられる
今回の火災の背後には、コロナ渦に伴うペットの需要増加の影響もあったのではないかと個人的には感じています。
コロナでペットを飼い始めたものの、飼育に挫折して手放すオーナーさんも多いと聞きます。
ここで改めて、犬を飼うのにかかる費用を確認しておきましょう。
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引用 https://petfood.or.jp/data/chart2020/index.html
犬の寿命は約15歳で、飼育にかかる総費用は200万円を超えます。
年間13~14万円はかかっている計算ですが、これからワンちゃんを迎えようとしているあなたは大丈夫ですか?
1日1~2回のお散歩も必要とお金ばかりではなく時間も取られます。
こういった現実的な数字をしっかり踏まえた上で飼育を検討して欲しいと思います。
改めまして、亡くなったワンちゃんたちのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
最後までお読みいただきありがとうございました!