今日取り上げるのは、三重県鈴鹿市の住宅で、71歳の父親が同居する47歳の息子に顔や頭を殴られ死亡した事件についてです。
亡くなったのは金兒茂さん(71)で、無職・金兒信行容疑者(47)が傷害の容疑で逮捕されました。
調べに対し、金兒容疑者は「普段から文句を言われてイライラしていたので殴った」と容疑を認めているそうです。
事件の概要をまとめると共に、8050問題を解決するための考え方についても見ていきたいと思います。
最後までお付き合いください!
三重県・鈴鹿市 47歳男性 父親暴行事件の概要は?
東海テレビの報道内容を元に、事件の概要についてまとめます。
鈴鹿市須賀の無職・金兒信行容疑者(47)は2021年2月18日午前3時ごろ、同居していた父親の茂さん(71)に馬乗りになり、顔や頭を殴るなど暴行を加えた。
その後19日午前7時ごろ、茂さんが寝室で倒れているのが見つかり、通報で駆け付けた消防が死亡を確認した。
金兒容疑者は傷害の疑いで警察に逮捕された。
金兒容疑者:普段から文句を言われてイライラしていたので殴った。
司法解剖の結果、茂さんの死因は外傷性ショックと分かり、警察は容疑を傷害致死に切り替えて調べる方針。
引用 https://news.yahoo.co.jp/articles/edfc830881c6a22adf18a9c067e4ad12d6dd04ef
参考動画はコチラ↓↓
続いて、容疑者についての情報です↓↓
名前 金兒(かねこ)信行
年齢 47歳
住所 三重県鈴鹿市須賀
職業 無職
Facebook 該当するアカウントはありませんでした。
中高年の無職の息子が、同居する高齢の親を殺害する。
ここ数年、同じ様な事件を多く耳にするようになりました。
名古屋市名東区の集合住宅で76歳女性の遺体が発見。年明け頃から連絡取れず、顔には打撲痕。同居の52歳長男が逮捕!家族間殺人 最も多い動機が切なすぎる・・・
いわゆる「8050問題」。
それぞれのご家庭で抱えている事情は異なりますし、外から手を差し伸べようとしてもなかなか難しい問題です。
ネットではこんな声が上がっていました。
(Yahoo!ニュース コメント欄より引用)
引きこもりの支援はそう簡単にはいかないのだろうし、特効薬もない。当事者や家族にどうかかわるといいのか?誰も手も足も出ない中で最悪の事態になってしまったように思います。
無職でも良いから家から離れて暮らして欲しかった
口うるさく言われて鬱陶しいとは言うけど家から出ないもんな。
共依存でもあるのかなぁ。こんな事が減って欲しい本当に。
現場について
事件は三重県鈴鹿市須賀で起きました。
問われる罪は?
金兒容疑者は傷害の疑いで逮捕されました。
(傷害)
第二百四条 人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。(傷害致死)
第二百五条 身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期懲役に処する。(引用元:刑法 第204条)
8050問題の根本的な解決策は?まずは社会の「目」を変えることから!
全国の中高年引きこもりは約61万人いると言われています。
コロナ渦で職を失う方も急増している中、今後はこの数もどんどん増えてしまうのではないでしょうか。
そうだとしたら、まずは「親亡き後も、安心して引きこもれる体制を作ることが大事なのではないか」と指摘しているのがこちらのコラムです。
引きこもりは10人いれば10通りの問題があり、中には社会に出たくないという人もいる。
というよりも、そっちが大多数なのだ。
そのような人たちを無理に外へ引っ張り出して、「みんなと同じように働け」と迫るより、これまでのライフスタイルを維持しながら、引きこもりの人なりに社会と関わる方が、本人にとっても、社会にとっても幸せなのだ。
引用 https://diamond.jp/articles/-/204720?page=2
引きこもっている人を変えようとするのは難しい。
だったら、社会が変わるしかないよね!?というのがこのコラムの趣旨です。
「サラリーマン」や「専業主婦」「アルバイト」などと同じように、「ひきこもり」も一つの地位や生き方として認めていこうじゃないかというわけですね。
さらにこのコラムでは、従来の自立支援策の決定的な問題点について指摘しています。
従来の自立支援が問題なのは、《引きこもりの人たちの「プライド」を傷つける》という側面がある。
偏見とかディスっているわけではなく、引きこもりの人というのは、一般の人よりも「自尊心」が高いという傾向がある。
それは内閣府の調査(生活状況に関する調査、平成30年)でも浮かび上がっている。
「他人から間違いや欠点を指摘されると、憂うつな気分が続く」という質問に、「はい」「どちらかといえば、はい」と答えた人の割合が、引きこもりではない人たちが34.8%だったことに対して、「広義の引きこもり群」は55.3%と明らかに高くなっている。
引用 https://diamond.jp/articles/-/204720?page=3
「自分の生活のことで、人から干渉されたくない」という質問に関しても、「広義の引きこもり群」は93.6%となっていることも要注目。
周りは「良かれ」と思ってやっている支援策も、当事者にとっては「余計なお世話」「侮辱された気分になる」と感じているのかもしれません。
その上で、筆者は言います。
まずすべきは、引きこもりの人たちを「変える」とか、どうにかして社会に適応させるなんて、「上から目線」の傲慢な考え方を捨てることだ。
一方で、過度な哀れみや配慮もやめるべきだ。
引用 https://diamond.jp/articles/-/204720?page=6
よくある「弱者を守れ」的な政治運動に利用するのではなく、引きこもりという人たちのありのままを受け入れればいいのだ、と。
コロナの影響で社会のあり方が大きく様変わりした今こそ、多様な生き方を認め、それを持続できるような社会のシステムを作っていけるチャンスなのかもしれません。
まとめ
三重県鈴鹿市で起きた親子間の傷害事件についてまとめました。
ポイントを整理します。
- 鈴鹿市須賀の無職・金兒信行容疑者(47)は2021年2月18日深夜、同居していた父親の茂さん(71)の顔や頭を殴るなど暴行を加え死亡させた
- 「普段から文句を言われてイライラしていたので殴った」供述している
- 8050問題を解決するために、社会全体の「上から目線」な考え方を根本から変える必要がある
普段から文句を言われていたとのことですが、「だったらもう出ていくよ!」と言えないところに、この問題の根深さがあると思います。
出て行きたくても、お金も仕事もない。
そんな悪循環に陥っていたのでしょうか。
個人的には、8050問題は決して他人事ではなく、どの家庭にも起こり得ることだと思っています。
育て方や子供の性格は関係なく、ちょっとしたキッカケ(例:パワハラ、セクハラ、失恋、リストラなど)で人は心をくじかれてしまうことがあるのです。
「うちの子にかぎって」という考え方は危険!
他人ごとではないと覚悟を決めていれば、早めに気付き、対策することができるでしょう。
改めまして、亡くなった茂さんのご冥福をお祈り申し上げます。
最後までお読みいただきありがとうございました!