今日取り上げるのは、東京都葛飾区新宿の都営アパートで、空き家となった一室に置かれた冷凍ケースの中から女性の遺体が発見された事件についてです。
この部屋には70代の女性と40代の娘が2人で暮らしていたそうですが、娘は今月中旬、家賃滞納で転居していたとのこと。
今も連絡が取れておらず、警視庁は死体遺棄事件として捜査を始めています。
家賃を滞納していたわけですから、経済的には全く余裕がなかったのでしょう。
この娘は今、どこにいるのか・・・。
事件の概要をまとめると共に、生活に困り空き家で孤独死する人々の現状についても見ていきたいと思います。
最後までお付き合いください!
東京都・葛飾区 空き家 女性遺体発見事件の概要は?
産経新聞、毎日新聞の報道内容を元に、事件の概要をまとめます。
2021年1月27日午後2時5分ごろ、東京都葛飾区新宿6の都営アパートの一室で、清掃業者から「押し入れの中に遺体のようなものがある」と110番があった。
警視庁亀有署によると、和室の押し入れにあった冷蔵庫(⇒その後の調べで冷凍ケースだったことがわかりました)に女性の遺体が入っていた。
遺体は冷蔵庫の中に体を折り曲げられたような状態で入れられ、頭まで服がかぶせられていたという。
この部屋には今月中旬まで70代の母親と40代の娘が住んでいたとみられ、同署は遺体が母親の可能性があるとみて身元の確認を急ぎ、死体遺棄事件として捜査している。
室内には家具などが一部残されており、娘が最近になって業者に「転居するので、処分してほしい」と依頼していたことがわかっている。
家賃の滞納で退去を求められていたとの情報があるが、娘とは連絡が取れない。
※その後の調べで、清掃業者に対して、「茨城に行く」と語っていたことが明らかとなりました。
遺体は腐敗が進み、目立った外傷はなかった。(下半身は凍っていたそうです)
- 同じアパートに住む70代男性談:「5年ほど前、『母親を施設に入れて1人で暮らしている』と聞いた。娘は介護の仕事をしていたようだが、最後に会ったのは2カ月ほど前で、周りとの付き合いはあまりなかった」
- 別の住人の40代女性談:「母親が1人で住んでいると思っていたが、今年に入って姿を見たことがない。24日に用事があって訪問した時は玄関のポストにテープが張ってあった。インターホンを鳴らしても反応がなく、おかしいと思っていた」
※2021年1月29日午前11時ごろ、千葉県内のホテルで娘の身柄が確保されました。
2012年に帰宅したら母が頭から血を流していて隠さないとと思った。部屋の名義は母親で暮らせなくなると思った。警視庁は吉野由美容疑者(48)を死体遺棄の疑いで逮捕しました。
引用 https://news.yahoo.co.jp/articles/e34549bbc25ce04d8691ae3d473e22793cfacca4
引用 https://news.yahoo.co.jp/articles/bdd7e6cf2b1ecd75b8f7b4f6ff986f8034c80fe4
参考動画はコチラ↓↓
続いて、容疑者についての情報です。
名前 吉野由美
年齢 48歳
住所 不定
職業 無職
Facebook 同姓同名のアカウントが複数みつかりましたが、本人と断定できるものはありませんでした。
公営のアパートですから、通常の物件よりは家賃も安く設定されていたはず。
それでも払えなかったということは、経済的に相当困っていたのではないでしょうか。
だから、母親が亡くなっても葬儀も火葬もできなかったという可能性もありますね。
だとしたら、行方不明になっている娘が新しい物件を借りて住みかえているという可能性は低いように思います。
ネットではこんな声が上がっていました。
(Yahoo!ニュース コメント欄より引用)
しかし、こんな話はいっぱいあるんだろうな。
みんな普通に生きているだけなのに。
現場について
事件は東京都葛飾区新宿6の都営アパートの一室で起きました。
問われる罪は?
吉野容疑者は死体遺棄の疑いで逮捕されました。
(死体損壊等)
第百九十条 死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する。(引用元:刑法 第190条)
「行旅死亡人」とは?本当の孤独死のリアル
この親子が食べることに困るほどに困窮していたのだとしたら、住む場所を失った娘はどこかで亡くなっていてもおかしくありません。
身分を証明する物を何も持たず、頼れる親族もいなかったとしたら、やがて「行旅死亡人」となり遺骨は無縁仏として埋葬されることになります。
これはあくまでも「可能性」の一つですが・・・。
そうなってしまったら、もはや母親の死因も闇に葬り去られてしまうでしょう。
「行旅死亡人」とは氏名や住所が判明せず遺体の引き取り手がない死者を表す言葉ですが、日本では年間600件~700件もの方が行旅死亡人として葬られています。
行旅死亡人の対応は、死亡人が発見された自治体が対応します。
死亡人が発見されるとまずは警察や行政が身内や親族を探すのですが、それでも身元が分からない場合は行旅死亡人として取り扱われます。
遺体は速やかに火葬され、自治体が遺骨を保管した上で国が発行する官報に公告します。
公告の内容は、死亡者のおおよその年齢や外見の特徴、所持品、発見された場所や日時などです。
火葬された遺骨は一旦、自治体で保管されます。
引き取り手が現れた場合には遺骨は引き渡されますが、もしも現れなかった場合は一定期間の保管のあと合葬し、無縁仏として無縁墓地に埋葬されます。
引用 https://www.lifedot.jp/koryo-death-people/
今回の事件では娘が引っ越したことで遺体が発見されましたが、もしかしたら家に親の遺体を放置したまま自分は家を出て、そのまま「行旅死亡人」となって亡くなっている・・・というケースも結構たくさんあるのではないでしょうか。
なんだか、現代社会の闇を感じる事件でした。
最近は、住む場所を失い、空き家に入り込んで人知れず生活している時に孤独死するケースも増えているそうです。
⇒ 参考:PRESIDENT Online「トイレに腰かけたまま白骨化」父母を亡くした30代女性はなぜ孤独死したのか
かなりエグい内容なので食事をしながら見るのは止めたほうが良いと思いますが、非常に考えさせられることの多い記事でした。
行方が分からなくなっている娘さんも、退去を迫られることがなかったらこの記事のように誰にも知られることなくこの部屋で亡くなっていた可能性もあります。
実際に、大阪で親子が餓死していた事件もありましたよね。
大阪市港区築港のマンションで母娘の遺体が見つかる。死因は餓死?死後数ヶ月で体重は30キロ。他人事じゃない!日本の飢餓問題の実態がエグい・・・
世間では菅首相が「生活が苦しければ生活保護を利用すればいい」みたいな発言をしたことが話題になっていますが、それで解決するならこんな事件は起きていないのではないでしょうか・・・。
まとめ
東京都葛飾区新宿の都営アパートの一室で女性とみられる遺体が発見された事件についてまとめました。
ポイントを整理します。
- 2021年1月27日午後、東京都葛飾区新宿6の都営アパートの一室で、押し入れにあった冷蔵庫の中から女性の遺体見つかった
- この部屋には今月中旬まで70代の母親と40代の娘が住んでいたとみられ、遺体は母親のものである可能性が高い
- 娘は転居していて行方がわからなくなっているが、生活が困窮していたのが本当であれば新しい物件を借りたとは考えにくい
- 2021年1月29日午前、娘の吉野由美容疑者(48)が死体遺棄の疑いで逮捕された
この娘さんは昼夜問わず頑張って働いていたという証言もありました。
もしかしたら、お母さんが病気がちだったり、介護が必要な状態だったのかもしれませんね。
しかし、コロナの影響なのか生活が立ち行かなくなった。
母を入院させることもできず、そうこうしているうちに亡くなってしまった。
・・・そんな可能性も考えられるかと思います。
あくまでも想像ですが、このような悲劇があちこちで起こりそう・・・というよりもすでに起こっているのではないかと思えて怖くなります。
今後の捜査に注目していきましょう。
改めて、亡くなっていた女性のご冥福をお祈り申し上げます。
最後までお読みいただきありがとうございました!