今日取り上げるのは、鹿児島県出水市の住宅で、同居する次男の首を絞め殺害しようとしたとして、68歳の母親が殺人未遂の疑いで現行犯逮捕された事件についてです。
岩永健二さん(39)が意識不明の重体。(※健二さんはその後、14日未明に死亡しました。)
マッサージ師・岩永八重子容疑者(68)が逮捕されました。
岩永容疑者は、「息子と一緒に暮らしていくことが嫌になり殺そうとした」と話しているとのこと。
この親子に何があったのでしょうか。
事件の概要をまとめると共に、中高年のひきこもり問題のリアルについても見ていきたいと思います。
最後までお付き合いください!
鹿児島県出水市 息子殺人未遂事件の概要は?
KKB鹿児島放送の報道内容を元に、事件の概要をまとめます。
鹿児島県出水市高尾野町大久保のマッサージ師・岩永八重子容疑者(68)は、2021年1月12日午後11時50分ごろ、自宅で同居する次男の岩永健二さん(39)の首をコードのようなもので絞めるなどして殺害しようとした疑いが持たれている。
健二さんは意識不明の重体。
岩永容疑者は健二さんと2人で暮らしていて、警察の調べに対し「息子と一緒に暮らしていくことが嫌になり殺そうとした」と話し、容疑を認めている。
引用 https://news.yahoo.co.jp/articles/7c4970560b77c40350279f228b29c5ba364dbaf6
参考動画はコチラ↓↓
続いて、岩永容疑者についての情報です。
名前 岩永八重子
年齢 68歳
職業 マッサージ師
住所 鹿児島県出水市高尾野町大久保
Facebook 本人のものと思われるアカウントは見つかりませんでした。
このところ、家族間での殺人事件が続いています。
千葉・流山で殺人事件発生!母と娘、二人が包丁で刺されて死亡。「母と姉刺した」と出頭した長男の動機は?親族間で起きる殺人事件の根っこにある心理とは・・・
詳しい動機はまだわかっていませんが、「一緒に暮らしていくことが嫌だ」と強烈に思うような”何か”があったのか。
それとも、以前からあまり親子関係はうまくいっていなかったのか。
ネットではこんな声が上がっていました。
別の記事に息子は無職の39歳と書いてあるね。
お母さん仕事が生きがいだったか、はたまた無職の息子が居ては68でも働くしかなかったか…
後者だったらそりゃ嫌になるわ。
追い込まれる気持ちもわかる。
39にもなって母親と同居…
母親からしたらなんだかなぁって思うところがあったんだろう。ニートの中年最強説。
一緒に暮らすのが嫌になった…
もしかしたら、母親に何でもやってもらっていて、そのうえ文句ばかり言ってたりしたのかな…
自分の親に嫌われ、殺されるなんて切なくて、哀しい…
(Yahoo!ニュースコメント欄より引用)
現場について
事件は鹿児島県出水市高尾野町大久保で起きました。
問われる罪は?
岩永容疑者は殺人未遂の容疑で逮捕されています。
(殺人)
第百九十九条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。(未遂罪)
第二百三条 第百九十九条及び前条の罪の未遂は、罰する。(引用元:刑法 第203条)
他人事ではない!中高年のひきこもり問題のリアル
このニュースを見て、「ああ、中高年のひきこもり問題かな」「俺には関係ないし」と思った方。
コロナ渦で政府の方針が二転三転する今、どんなに収入が高くても、ひきこもり問題は決して他人事ではありません。
コチラの記事を読むと、この問題が誰にでも起こり得ることだと危機感を覚えるはずです。
⇒参考:中年のひきこもり「年収1000万」でも危険な理由 「ひきこもり=怠け者」は間違ったイメージだ
年収1000万円のエンジニアであっても、いきなり解雇されるリスクはゼロではない。
そこに「年齢」という壁がはだかれば、無職⇒実家に戻る⇒高齢の親の年金を頼りにして暮らすというシナリオにいきつくリスクは誰にでもあるのです。
非正規やアルバイトの方たちだけではなく、正社員の、それも1000万円プレイヤーであっても、今の世の中、いつなんどき解雇されるかわかりません。
そして、いったん解雇されたら、とくに中高年の場合には、再就職先がなかなか見つけられないのが現状なのです。
Aさんのように数十社受けても不採用ばかりとなれば、よほど強靭な精神力の持ち主でない限りは、やがて傷つき、自信を失い、身も心も疲弊して、外へ出ていく気力が失せたとしても不思議ではないでしょう。
引用 https://toyokeizai.net/articles/-/326093?page=3
この記事で取り上げているAさんもUさんも、多くの人と同じように進学、就職をして普通に働いていました。
年収から見れば、”並み”以上の能力の持ち主であり、働きぶりも一流だったように思います。
Aさんは20年にもわたって母親に仕送りまでしていた。正真正銘の親孝行息子です。
しかし、失業や母の死など、誰にでも起こりうるちょっとしたきっかけで、ひきこもり生活に転落してしまう・・・。
……これまで親孝行をしてきたつもりですが、最後の最後にこんなことになってしまったことが悔しいですし、自分が情けないです
Aさんが語った言葉が、妙に強く心に響きました・・・。
中高年ひきこもりは、決して対岸の火事ではないのです。
まとめ
鹿児島県出水市で起きた殺人未遂事件についてまとめました。
ポイントを整理します。
- 鹿児島県出水市高尾野町大久保のマッサージ師・岩永八重子容疑者は、2021年1月12日夜、自宅で同居する次男の岩永健二さんの首絞めるなどして殺害しようとした
- 警察の調べに対し「息子と一緒に暮らしていくことが嫌になり殺そうとした」と話した
- 中年の引き込もりはちょっとしたキッカケで誰の身にも起きることであり、決して他人事ではない
2019年に内閣府が行った調査によれば、自宅に半年以上閉じこもっている「ひきこもり」の方の数は、40~64歳が、全国で推計61万3千人。
15~39歳の推計は54万1千人ですから、ひきこもりの高齢化、長期化が鮮明になった形です。
今回、被害者となった健二さんはどのような事情で母親と同居していたのかわかりませんが、今後はコロナの影響で職を失い実家に戻る方も増えるでしょうし、こういった事件も多くなるかもしれませんね・・・。
どのような事情で同居するにしても、人間関係には「距離」が必要です。
親子だからこそ、物理的、経済的、そして心理的な距離を確保しながら付き合わないと、「一緒に暮らしていくのが嫌」になってしまうのではないでしょうか。
なにはともあれ、健二さんの1日も早い回復をお祈り申し上げます。
最後までお読みいただきありがとうございました!