事件

兵庫県・尼崎市の集合住宅に男女3遺体。親子で無理心中?長女に「ごめんなさい」という手紙が届く。根っこにあるのは8050問題?親子共倒れ危機の現状とは。

尼崎 無理心中

今日取り上げるのは、 兵庫県尼崎市の集合住宅の一室で、この部屋に住む男女3人の遺体が発見された事件についてです。

亡くなったのは、住人の無職男性(79)と妻(77)のほか、長男(53)。

現場の状況から、警察は無理心中の可能性があるとみて調べています。

別居する長女夫婦の元に、「自宅に来てほしい」「ごめんなさい」といった内容の手紙が届いていたということですが、この家族に何があったのでしょうか。

事件の概要をまとめると共に、今後も深刻な問題になっていくであろう中年世代の子供との「親子共倒れ危機」についても見ていきたいと思います。

最後までお付き合いください!

兵庫県・尼崎市 一家無理心中事件の概要は?

神戸新聞NEXTの報道内容を元に、概要をまとめます。

2021年1月8日午後8時5分頃、兵庫県尼崎市の集合住宅の一室で、会社員男性から「妻の両親が首をつっている」と110番があった。

住人の無職男性(79)と妻(77)のほか、長男(53)が死亡していた。

無職男性と妻に目立った外傷はなく、長男は別の部屋で、顔に白い布を掛けられてあおむけに倒れ、首に絞められたような痕があった。

外部から何者かが侵入した形跡はなく、警察は無理心中の可能性があるとみて調べている。

事件発覚の経緯

亡くなった男性と妻から、別居する長女夫婦の元に8日、「自宅に来てほしい」「ごめんなさい」といった内容の手紙が届いていた。

長女夫婦が同日午後8時ごろに集合住宅を訪ねたところ、玄関が施錠されており、合鍵で部屋に入って3人の遺体を見つけた。

いずれも死後数日程度とみられる。

引用 https://news.yahoo.co.jp/articles/da2f8b2e56d3e3398b291dd5e190491407e22270

子供が親を殺害する事件が続いていましたが、今回は親が子供を道連れにして自ら命を絶った可能性が高いです。

事前に遺書めいた手紙を出していたことから察すると、やはり夫婦が長男を殺め、その後で自ら命を絶ったのではないでしょうか。

しかし、「子供」といってもすでに53歳。

客観的に考えれば一人でも生きていける年齢ですから、道連れにする必要はなかったように思います。

介護が必要だった、自立するのが難しい状態だったなど、何らかの事情を抱えていたのかもしれません。

ネットではこんな声が上がっていました。

現場について

事件は兵庫県尼崎市の集合住宅の一室で起きました。

少子高齢化社会ならではの問題。「親子共倒れ危機」の現状とは?

今回、亡くなったご家族がどんな関係性だったのかはわかりません。

しかし、一つの可能性として考えられるのが、「介護が必要な親と、収入が不安定な中年世代の子供」という組み合わせです。

親の体調を気遣って実家に残るも、介護との両立が難しく非正規の仕事しか得られない。

コロナ渦にあっては、仕事そのものを失ってしまい、親の年金や退職金だけを頼りに生活しているという世帯もあるようです。

また、こんなケースもあります。

ある介護者が、年老いた女性の自宅を訪ねると、女性の年金収入を頼りに、50代の息子夫婦も3人の孫たちもずっと家の中にいて仕事に就かず、引きこもっていたという。

このように、地域の中で、3世代の一家が丸ごと“引きこもり”状態になっている世帯もあるのだ。

引用 https://news.yahoo.co.jp/byline/masakiikegami/20150901-00049031/

以前、こちらの記事でも紹介した「7040問題」「8050問題」が根っこにあるケースですね。

愛知県豊橋市の住宅で男女3人の遺体が発見。目立った外傷なく、心中の可能性も?背景にあるのは7040問題か。その支援策はどうなってるの?

親の年齢がもっと上がっていくと、子供が家の中で亡くなっていても気づかないという事例も出てきます。

民家の2階の部屋から58歳の無職の息子とみられる白骨化した遺体が発見されたケースでも、両親と同居していたが、82歳の父親は足が不自由、78歳の母親は認知症で、年老いた両親は長い間、息子が亡くなっていることに気づかなかったらしい。

引用 https://news.yahoo.co.jp/byline/masakiikegami/20150901-00049031/

「ひきこもり」の場合は、中高年の子どもが親元から自立しようとして不動産屋で部屋を探しても、「無職」を理由になかなかアパートを借りられないケースも多いそうです。

また、親が借金を背負ったことによって、子どもをも巻き込んで家族で身動きが取れなくなっているケースも少なくありません。

人生を仕切り直したくても、できない。

・・・こういった状況に絶望し、「無理心中」という最期を選んでしまうご家族も多いのではないでしょうか。

中高年層の生活をサポートするシステムが手薄なことも要因の一つとして挙げられるでしょう。

今の日本は、高齢者や若年層には支援策がありますが、40代~50代の中高年層には厳しい世の中です。

「働き盛りなんだから、自分たちでどうにかできるでしょ」

ということなのかもしれませんが、この世代は就職氷河期世代にもあたっていますので、社会人生活のスタート地点で出遅れてしまった方も多かったはず。

親から独立して世帯分離しないと生活保護も受けられないなど、独立するまでのハードルが高過ぎてずるずると引きこもってしまっている方も少なくないのでしょう。

こういった状況を改善するため、2020年度予算では就職氷河期世代に対する就労支援予算も拡大され603億円が計上され、本来は原則禁止とされている「年齢を制限した採用活動」を30代後半~40代後半の世代に限って全面解禁されましたが、そこへもって、このコロナ渦です。

「やっと前を向いて歩き出そうとしたのに、また挫かれた」

・・・あくまでも想像でしかありませんが、この家族にはそんな絶望があったのかもしれません。

まとめ

兵庫県尼崎市の集合住宅の一室で男女3人の遺体が見つかった事件についてまとめました。

ポイントを整理します。

まとめ
  • 2021年1月8日夜、兵庫県尼崎市の集合住宅の一室で、70代の夫婦と50代の息子、3人の遺体が発見された
  • 現場の状況から、無理心中と見られる
  • 7040、8050問題が深刻化しており、親子共倒れする世帯が増えている

中高年向けの就労支援は拡大していますが、一方で、動き出してみたものの途中で中断してしまうケースも多いようです。

その課題としてはこんなことが挙げられています。

ひきこもり支援の課題

引用 https://www.minnanokaigo.com/news/kaigogaku/no772/

長く自宅に引きこもってしまった方は、家族以外の人と接すること自体に強い不安を感じている方も多いです。

どれだけ高いスキルを持っていても、人間関係がネックとなってなかなかスムーズに適応できないというケースも多いでしょう。

単に仕事を紹介すれば良いというものではなく、メンタル面のケアやサポートも必要だというところにこの問題の根っこの深さを感じました。

改めまして、亡くなったご家族のご冥福をお祈り申し上げます。

最後までお読みいただきありがとうございました!