今日取り上げるのは、 福井県あわら市の「小林化工」で起きた睡眠導入剤混入事件の続報です。
本来入れるべき有効成分の容器と、混入した成分の容器が、同じ棚の上下に並べて置かれていたことがわかりました。
用途の異なる原料がごく近くで保管されていた状態・・・。
関係者は「ヒューマンエラーを起こしやすい状態だった」と危険性を指摘していますが、同社の責任者はどう認識していたのでしょうか。
死者も出ている事件だけに、世間の注目度も高いようです。
事件の概要をまとめると共に、「ヒューマンエラー」が起きる原因や事故を防止するための対策についても見ていきたいと思います。
最後までお付き合いください!
小林化工 爪水虫治療薬「MEEK」睡眠導入剤混入事件の概要は?
事件の概要はコチラ↓↓の記事でまとめています。
水虫薬「MEEK」に睡眠導入剤が混入!入院中だった70代女性が死亡。「ベンゾジアゼピン系睡眠剤リルマザホン塩酸塩水和物」ってどんな成分なの?1錠あたり5㎎の混入がどれだけ危険か知っておきたい!
今回は、読売新聞オンライン報道内容を元に、新たにわかった情報をご紹介します。
製薬会社「小林化工」(福井県あわら市)が製造した爪水虫などの治療薬に睡眠導入剤の成分が混入した問題で、本来入れるべき有効成分の容器と混入した成分の容器が、同じ棚の上下に並べて置かれていたことが、同社関係者への取材でわかった。
用途の異なる原料がごく近くで保管されていたことになり、関係者は「ヒューマンエラーを起こしやすい状態だった」と危険性を指摘している。
有効成分を入れていたのは「高さ1メートル弱の大きな紙製のドラム缶」
睡眠導入剤成分は「小さく平たい缶」
大きさや形が全く異なっており、同社は「一般的な感覚では間違えないレベル」と説明している。
引用 https://news.yahoo.co.jp/articles/79a911cb2605a970115e45800a679b845d6959aa
この事件では、問題のクスリを処方された患者のうち健康被害を受けた人が207人で、そのうち交通事故に遭った人が22人もいるとのことです。
かねてから「製造管理の考え方そのものに問題があるのではないか」と指摘されていましたが、今回の報道に対してネットでも厳しめの声が上がっていました。
(Yahoo!ニュース コメント欄より引用)
間違えた睡眠薬原料が同じ場所・部屋に存在すること自体が問題なのに、取り違えた作業員の行動を問題とした発言。ヒューマンエラーは必ず起こり得ることを想定し、作業準備段階でエラーが起こりえない状況を作り出すのが本当の予防であるのに。
残念な経営者だ、従業員からの信頼もはじめからないのだろうな。あまり考えたくはないが、会社に対する腹いせで意図的に混入させた可能性すらある。
作業員の育成、配置に問題があるのか、多忙などの疲労によるなにかなのかはわからんけど、重大リスクを放置した結果であることは間違いないでしょう
ただ、報道の感じでは原材料室の管理自体が「ざる」だったのではないか、と思わざるを得ない。なので、出庫記録などもいい加減かも。
「ヒューマンエラー」とは?どうすればなくせるの?
ヒューマンエラーとは、直訳すれば「人間のミス」。
人間は間違う生き物であり誰でもミスをしますので、これ自体を責めることはできません。
問題は、それを企業としていかに予測し、防止していくかということですよね。
では、ニューマンエラーはどのような理由で起こり、どうやって対策していけば良いのでしょうか。
ヒューマンエラーの種類は、「意図しないエラー」と「意図されたエラー」の2種類
【意図しない行動によるエラー】
- うっかりミスなど、意図しない行動によって起こるエラー
- 先入観や思い込みによる勘違い
- 見落とし
- やり忘れ
- 判断ミス
- 認知力、注意力の低下
【意図された行動によるエラー】
- 手抜き
- 故意におこなう(悪意を持ってわざとミスする)
引用 https://media.shouin.io/2019/07/31/human-error
今回の場合は、どれに該当するのか。
慣れによる判断ミスだったかもしれないし、もしかしたら過重労働による注意力の低下などあったかもしれません。
これは今後の調査に注目していく必要がありますね。
次に、対策です。
1.間違いの芽を事前に摘む
ヒューマンエラーを防止するには事前に間違いが起きる可能性を理解し、エラーの起こらないシステムやチェック体制を構築する必要があります。アプリやツールを導入することもおすすめです。2.ツールを活用
ヒューマンエラー防止に役立つ主なツールの種類は2つです。
- タスク管理・ToDoリストツールでやり忘れや見落としを減らす
- ワークフローツールで業務の過程を記録する
3.グループウェアの活用
社内SNSやカレンダー共有、伝言板などの多機能を備えたグループウェアを導入することもヒューマンエラーの減少に一役買ってくれるでしょう。4.マニュアル作成
業務フローや手順がひと目で分かるようマニュアル化し、共有するという方法もあります引用 https://media.shouin.io/2019/07/31/human-error
ヒューマンエラーは、ちょっとした思い込みや先入観で起こることも珍しくありません。
「安全第一」というポスターを貼ったくらいでは防止できない。
だからこそ、こういったツールを利用しながら細かいチェックをいくつもいくつもいれていくことが大事なのだと思います。
まとめ
福井県・あわら市の小林化工で起きた、睡眠導入剤混入事件についての続報をまとめました。
ポイントを整理します。
- 本来入れるべき有効成分の容器と混入した成分の容器が、同じ棚の上下に並べて置かれていたことが明らかになった
- これはヒューマンエラーを起こしやすい危険な状態だったと考えられる
- 人が間違うのは当然であり、だからこそ様々なツールを活用しつつ間違いの芽を事前に摘むことが大事
焦っていたりすると、どうしても注意は散漫になります。
同社は「一般的な感覚では間違えないレベル」と説明しているそうですが、そんな状況であっても間違ってしまうのが人間というもの。
この発言には、過信と甘えがあると言わざるを得ません。
今一度、企業の風土や働く職場環境など基礎的な部分から徹底的に見直していく必要があるのではないでしょうか。
また新しい情報が入りましたら追記していきます。
最後までお読みいただきありがとうございました!