今日取り上げるのは、愛知県蒲郡市で、道路上にいた70代の兄妹2人が乗用車にはねられ兄が死亡、妹が重傷を負った事故についてです。
亡くなったのは、75歳の石黒嘉久さん。
車を運転していた自称・会社員の女性(45)を過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕されました。
ただ、ドライブレコーダーの映像から、石黒さんは何らかの理由で道路上に横たわっていたと見られていて、ネット上では「避けられない事故だったのではないか」と議論が持ち上がっています。
※その後の調べで、石黒さんは別の車にひき逃げされていたことが明らかになりました。
蒲郡市のフィリピン国籍・デ・ディオス・レナト・ジュニア・ダドゥヤ容疑者(34)が逮捕されています。
事故の概要をまとめると共に、マスコミが実名報道する基準、理由についても見ていきたいと思います。
最後までお付き合いください!
愛知県蒲郡市 70代兄妹死傷事故の概要は?
東海テレビの報道を元に、事故の概要をまとめます。
2020年12月24日午後6時すぎ、愛知県蒲郡市三谷町で、道路上にいた市内に住む塾講師で75歳の石黒嘉久さんと73歳の妹が走ってきた乗用車にはねられた。
2人は病院に運ばれたが石黒さんはまもなく死亡し、妹は右足を骨折する重傷を負った。
ドライブレコーダーの映像から、石黒さんは何らかの理由で道路上に横たわっていて、妹が介抱にあたっていたとみられる。
警察は、車を運転していた自称・会社員の女性(45)を過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕し、当時の状況を詳しく調べている。
※その後の調べで、石黒さんは別の車にひき逃げされていたことが明らかになりました。
蒲郡市のフィリピン国籍・デ・ディオス・レナト・ジュニア・ダドゥヤ容疑者(34)が逮捕されています。
引用 https://news.yahoo.co.jp/articles/3b4b722f6135133d0e6f53fb8b74ec8cdd8f37ed
続いて、容疑者についての情報です↓↓
年齢 45歳
職業 会社員
不可避の事故のため詳細の掲載は控えさせていただきます。
夜6時過ぎと言えば、今の季節は真っ暗です。
道路(車道)に横たわっていたら、おそらくよほど注意深く運転していない限り、気付けないかもしれません。
服装や反射シートを着けていたりしたら気づけたかもしれませんが、黒っぽい服だったとしたらなおさらですよね。
ウォーキング中に急に体調不良になったのか?あるいは、転んで倒れ込んでいたのか・・・?
横たわっていたのが車道か歩道か横断歩道か分かりませんが、車道だったとしたら加害者ばかりを責めるのも気の毒なように思います。
クリスマスイブの夜ということで、ドライバー側もちょっと気が急いている面もあったのかもしれませんが。
ネット上では、「今の段階で実名報道するのは早いのではないか」といった、ドライバー側に同情的な声が多数寄せられています。
※石黒さんは別の車にひき逃げされていたことが明らかとなり、この事故は不可避なものであったことが判明しました。
(Yahoo!ニュース コメント欄より引用)
それでもひいたらダメなのはわかるけど、加害者側も気の毒です。しかも、報道で名前出さないとだめなのかな。配慮できないのかな。
。これが逮捕なら上級市民のあいつを逮捕しろよ!
現場について
事故は、蒲郡市三谷町で起きました。
問われる罪は?
塩野容疑者は「過失運転致傷」の疑いで現行犯逮捕されました。
(過失運転致死傷)
第五条 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
実名報道は本当に必要?そのメリットとデメリット
コチラの記事↓↓でも書きましたが、池袋の暴走事故があってから交通事故で「実名報道される/されない」について関心を寄せる方が増えているように感じます。
永瀬浩喜 顔画像 Facebookは?東京・練馬区で交通死亡事故発生!千葉県がんセンター研究所 所長が80代の男性をはねる。交通事故で実名報道される/されないの基準とは?
今回の場合は、少年事件ではありませんし、ドライバーは精神的に問題はなさそうだし入院もしていない。
なにより死者も出ているので、逮捕・実名報道はやむを得ないような感もあります。
しかし、同じような事故でも話題にならないこともありますよね。
その基準は何なのか?
なぜマスコミは実名報道するのでしょうか。
実名報道についての各報道機関の主張
「朝日新聞は事件報道に際して実名で報じることを原則としています。
犠牲者の方々のプライバシーに配慮しながらも、お一人お一人の尊い命が奪われた重い現実を共有するためには、実名による報道が必要だと考えています。
それが、社会のありようを考えるきっかけになると思っています」(2019年8月3日朝日新聞朝刊1面)
「毎日新聞はこうした事件・事故の犠牲者について、事実を正確に報じて被害者の無念や遺族の悲しみを伝えるため、実名報道を原則としている」(2019年8月3日毎日新聞朝刊4面)
これらのコメントからは、報道機関としては、重大事件については「より実態に迫った真実性の強い記事」を提供する方がメリットであると考えており、それを実現するために実名報道を行っているということが読み取れます。
引用 https://www.bengoshicafe.com/keijijiken-2881.html
上記は刑事事件についての見解なので交通事故とはちょっと論点がズレてしまうかもしれませんが、どうやらマスコミは加害者のプライバシーを守ることよりも「亡くなった方の命の尊さ」を重視しているようですね。
また、「マスコミには報道の自由があり、国民には知る権利がある」というのも、このような議論でよく持ち出されてくる主張です。
実名報道は、「報道の自由」と「知る権利」という、互いに表裏一体である憲法上の自由・権利を根拠として行われています。
(1) 報道の自由|マスコミ等
日本国憲法21条1項は表現の自由を保障しています。
そして、報道機関(マスコミ)による事実の報道については、国民が国政に関与するために重要な判断の資料を提供し、国民の知る権利に奉仕するものであり、表現の自由の一環としてその自由が保障されるものとされています。
(2) 知る権利|国民
「知る権利」については憲法において直接的に明記されてはいません。
しかし表現の自由を受け手の側から再構成した権利として、憲法上保証されているものと解されています。
引用 https://www.bengoshicafe.com/keijijiken-2881.html
「私たちには知る権利があるだろう!」と鼻息荒くする方がたまにいますが、その権利は実は憲法では明記されていないのです。
また、「実名報道は加害者の名誉を毀損する行為ではないか」という議論もありますが、刑法230条の2第1項では
- 公共の利害に関する事実の報道であること
- 報道の目的が専ら公益を図ることにあること
- その事実が真実であること
この3つの要件を満たす場合は例外的に名誉毀損が成立しないものと定められているんです。
つまり、マスコミが報道した内容が疑いようのない「事実」であり、その事実が「一般市民が関心を寄せるのが正当である」と評価されるものであった場合は実名報道しても名誉棄損にはなりませんよというわけですね。
ややこしいですが・・・、今回の事故はどうだったのか。
凶悪な犯罪ではありませんし、ひいてしまった後に逃げたわけでもない。
「70代の兄妹が道路に横たわっていた」という点では関心が高い事故ではありますが、公共の利害という点でいえば別に実名で報道する必要はなかったようにも思います。
今後の捜査に注目していきましょう。
まとめ
愛知県蒲郡市で起きた、70代の兄妹が亡くなった交通死亡事故についてまとめました。
ポイントを整理します。
- 2020年12月24日夜、愛知県蒲郡市三谷町で、なんらかの理由で道路上に横たわっていた75歳の石黒嘉久さんと73歳の妹が走ってきた乗用車にはねられた
- 車を運転していた自称・会社員の女性(45)を過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕された
- 交通事故で実名報道される/されないの基準は様々な解釈がある
筆者はもっぱら「歩行者」の立場ですが、正直、「ドライバーってあまり歩行者のことを見ていないんだな」と感じることが多いです。
ちょろちょろ走りまわる犬を連れているので、なおさら、ヒヤリとすることが多いですね。
だからといって相手を責めるばかりでは事故は防げません。
歩行者のみなさんも、夜は何か光るものを身に着けるとか、黒い服を避けるとか、とっさの時にスマホの懐中電灯を使えるようにしておくとか、自衛策は絶対必要です!
改めまして、亡くなった兄妹のご冥福をお祈り申し上げます。
最後までお読みいただきありがとうございました!