今日取り上げるのは、群馬県利根郡片品村で、二人の子供を連れて無理心中しようとした母親が逮捕された事件についてです。
母親(27)は、軽乗用車内で練炭に火を付けて、小学生の長男(9)と保育園児の長女(5)を一酸化炭素中毒にさせて殺害しようとした疑い。
直前に友人に送ったメールが、発見につながりました。
悲しいニュースが続く中、子どもたちの命が救われたことが不幸中の幸いでした。
事件の概要を振り返ると共に、自殺しそうな人に対する働きかけ方についても見ていきたいと思います。
最後までお付き合いください!
群馬県・片品村 母子3人無理心中未遂事件の概要は?
読売新聞オンラインの報道を元に、事件の概要をまとめます。
2020年12月17日午後8時45分頃、27歳の母親が、群馬県片品村内の店舗駐車場に止めた軽乗用車内で練炭に火を付けて小学生の長男(9)と保育園児の長女(5)を一酸化炭素中毒にさせて殺害しようとした。
群馬県警沼田署は18日、前橋市の無職の母親(27)を殺人未遂容疑で逮捕した。
調べに対して母親は容疑を認め、「育児に関して悩んでいた」と供述している。
捜索中の警察官が発見した際、練炭は燃えていたが、2人の子と母親に中毒症状などはなかった。
県警は同日夕、母親の友人から「自殺を示唆するメールが届いた」という通報を受けていた。
引用 https://news.yahoo.co.jp/articles/93a4c9068412f099a71b6b2b0e0394cdeb489dce
無理心中で子ども道連れにされたというニュースが続くなか、今回は二人の子供は無事だったとのこと。
ネットでも、「本当に良かった」という声が多く上がっていました。
母親をあたたかく気遣うコメントが多いことも印象的です。(Yahoo!ニュース コメント欄より引用)
迷惑かけたくないは、助けて欲しいって事。
友人に連絡を入れておいて、本当に良かった。
必ず今の状況より幸せになれる。
生きていれば、必ず良い事がある。
命が繋がって本当に良かった。
警察官の方も見つけてくれてありがとう。
きっと10代出産で苦労してきたはず。逮捕は気の毒だけどこれを機に色んな支援を入れて何とか立て直してほしい。
子供たちはあなたの帰りを待ってるよ。
今は絶望の中だろうけど、これでいろんな解決策を周りが教えてくれると思う。生きていてよかったと思えるまでにはかなり時間がかかると思うけど、いつかそう思える人生になってほしい。
現場について
事件は群馬県利根郡片品村で起きました。
問われる罪は?
母親は「殺人未遂」の容疑で逮捕されました。
(殺人)
第百九十九条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。(未遂罪)
第二百三条 第百九十九条及び前条の罪の未遂は、罰する。(引用元:刑法第199条、203条)
自殺をほのめかす人にはどう対処したら良い?働きかけの方法を危険度別にチェック!
よく、「自殺について語る人は滅多に自殺しない」と言われていますが、実際は今回のように前もって何らかのサインを発していることが多いようです。
自殺した人のは約半数は、 自殺する以前の1ヶ月間に医師のもとを受診しているという説もあります。
では、今回のように自殺をほのめかす友人に対してどう接するべきなのか?
危険度別にその働きかけの方法についてまとめたサイトがありましたので参考にしてみましょう。
■働きかけの方法 ~ 危険度別
低:具体的な計画がない
- 心理的にサポートする。
- 絶望的な感情に働きかけ、喪失感、孤独感、無価値感について率直に話す
- 自殺以外の他の方法で問題を解決できるかという点を本人が語るように助力する
- 精神保健の専門家や医師に紹介する
- 定期的に会い、接触を保つ
中:計画を立てているが、直ちに自殺するつもりはない
- 絶望的な感情に働きかけ、本人の本来持っている力に焦点を当てる
- 死に対する複雑な感情に焦点を当てる。自殺の危険の高い人が感じている両価的な感情に目を向けて、徐々に生の願望を強めていくようにする
- 自殺以外の他の方法を探る。それが理想的な解決策でなかったとしても、患者が少なくともそのうちのひとつを試みるように、 自殺以外の方法を探る
- 接触を保つ
- 自殺しないという約束を本人から取り付ける
- 精神科医、カウンセラー、医師に紹介し、できる限り早い段階で予約を取る
高:はっきりとした計画があり、方法も手にしていて、 直ちに自殺する危険がある
- その人と一緒にいる。けっして一人にしない
- 穏やかに話しかけ、薬、ナイフ、銃、殺虫剤などを取り除く
- 自殺しないという約束をしてもらう
- 精神保健の専門家や医師に直ちに連絡し、救急車を呼び、入院の手配をする
- 家族に連絡し、協力を得る
引用 https://www.kknews.co.jp/wb/archives/2006/11/post_585.html
今回の場合は「高」の段階だったので、やはり「一人にしない」「警察や救急に連絡する」というのが最善だったと思います。
あくまでも一つの考え方ですが、みなさんも身近な方に「あれ?」と思う兆候があればこういった指針を参考にされてみると良いでしょう。
まとめ
群馬県・片品村で無理心中をしようとした27歳の母親が逮捕された事件についてまとめました。
ポイントを整理します。
- 2020年12月17日夜、群馬県片品村で27歳の母親が軽乗用車内で練炭に火を付けて小学生の長男と保育園児の長女を一酸化炭素中毒にさせて殺害しようとした
- 県警は同日夕、母親の友人から「自殺を示唆するメールが届いた」という通報を受けていた
- 自殺しようとしている人は何らかのSOSを発しているケースが多く、具体的な計画があるかどうかに応じて働きかけ方を変える必要がある
自殺しようとしている人には、生きたい願望と死にたい願望の間を激しく揺れ動く「両価性」が見られると言われています。
一方で、人によっては思考の幅が非常に狭くなり常に自殺のことばかりを考えるというひどく極端な思考に陥ってしまうことも・・・。
しかし、コチラの記事↓でも書いたように、自殺は衝動的な行為でもあります。
JR西千葉駅で、制服を着た10代女性が飛び込み自殺!原因は?学校問題か家庭問題か・・・。死にたい衝動 正体と対処法をチェックして”魔”を退けよう
他の衝動と同様にその自殺衝動は一過性のものであり数分あるいは数時間しか続きません。
イザという時に、この母親のようにSOSを求められる相手が一人でもいれば、命をつなぐことができるかもしれないのです。
誰かにとってのその”一人”になった時、SOSに気付ける人でありたいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました!