今日取り上げるのは、岡山県高梁市川上町高山市の山中で、洞窟探査をしていた京都市の大学生が死亡した事故についてです。
亡くなったのは京都市右京区の大学生磯野祐紀さん(24)。
大学の探検部に所属しており、7人で洞窟の調査や新たな洞窟の探査をしていた途中の事故だったようです。
事故の概要をまとめると共に、2008年に起きた「岡山地底湖行方不明事件の謎」についても見ていきますので最後までお付き合いください!
岡山県高梁市 洞窟探査 男子大学生死亡事故の概要は?
事故について報じた共同通信の報道内容を元に概要をまとめます。
2020年12月13日午後1時55分ごろ、岡山県高梁市川上町高山市の山中で、洞窟探査をしていた京都市右京区の大学生磯野祐紀さん(24)が崖下で倒れていると119番があった。
磯野さんは病院に運ばれたが、約2時間後に死亡が確認された。
磯野さんは大学の探検部に所属し、他団体と合同で、13日午前10時半ごろから7人で洞窟の調査や新たな洞窟の探査をしていた。
同行者が倒れている磯野さんを発見した。
高梁署が詳しい状況や死因を調べている。
引用 https://news.yahoo.co.jp/articles/7eed478ed8003f496b1c7231c156f96a8b68942d
調べてみたところ、亡くなった磯野さんは立命館大学法学部5回生で、探検部の主将を務めていたようです。
探検部の公式Twitter 「@rits_tanken」に部員紹介の動画が掲載されていましたので、参考までにシェアしておきます。
部員紹介動画です!こう作ってみると、みんな色が濃いw pic.twitter.com/63UOdQ8Wr3
— 立命館大学探検部 (@rits_tanken) April 16, 2020
過去には、朝日新聞系列のサイトのインタビューを受けていたこともあり、探検の世界では期待のホープ的存在の若者だったようです。
「この島には、竪穴、横穴、その両方が組み合わさった立体的な穴など様々な洞窟があり、まだ発見されていない洞窟もあると思われます。初心者が洞窟探検の基礎を学び、その素晴らしさを知るのによい機会なので、希望者はぜひ参加してほしい」――。
7月中旬のある夜、私が教壇に立っている立命館大学の衣笠キャンパス(京都市北区)の学生会館の一室。探検部主将の磯野祐紀さん(法学部4回生)が、集まった10人ほどの学生を相手に今夏の洞窟探検合宿の意義を力説していた。
引用 https://globe.asahi.com/article/12609472
ただ、ヤフコメを見ていて気になったのは、「過去にも岡山で同じような事故があった」「またか」「探検部は危険」という書き込みです。
(Yahoo!ニュース コメント欄より引用)
実は、2008年にも岡山県内では大学の探検部が関係する事故が起きています。
この事故は岡山県新見市にある鍾乳洞「日咩坂鐘乳穴」で発生し、高知大学3年だった名倉祐樹さん(当時21歳)が鍾乳洞内の地底湖で遊泳中に行方不明になりました。
いまだ解けない謎を多く残しているこの事件は「岡山地底湖行方不明事件」として語り継がれており、今回もこの事件とリンクして考える方が多かったようです。
現場について
事故は岡山県高梁市川上町高山市の山中で起きました。
過去にもあった洞窟事故!岡山地底湖行方不明事件の謎とは・・・
では、2008年1月に起きた「岡山地底湖行方不明事件」とはどのような事件だったのか。
詳しく解説されているサイトをいくつか見つけましたので参考にしてみましょう。
事件の発生は2008年1月5日。
午後6時15分頃に、高知大学学術探検サークルのメンバーから「地底湖でひとりが溺れた」と警察に通報があったことから始まります。
高知大学学術探検サークルは事故のあった「日咩坂鍾乳穴 」にはよく探検に行っていたようだが、この日はサークルメンバーや社会人など13人が新見市に集まっていた。
その内顔見知りのサークルメンバー5人で午前11時半頃から探検に向かい、2時頃半に名倉祐樹さんが鍾乳洞奥の地底湖で泳いでいた最中に急に姿が見えなくなった。
警察は30人体制で捜索を開始したが、鍾乳洞は奥行1600メートル、高さ15メートル、幅7メートルの洞窟で、途中には人一人がやっと通れる隙間や、首あたりまで水につかる難所があり、捜索は困難を極めた。
また、この「日咩坂鍾乳穴 」は天然記念物に指定されていて非常に危険な構造のため、立ち入る際には新見市への許可を義務付けられていたが、サークルメンバーは許可を取らずに入っていた。
鍾乳洞内部の地形に詳しい高知大学の探検サークルOBも救助に協力し、5日間におよぶ捜索が続いたが、名倉祐樹さんは結局見つからずしまいで10日に搜索が打ち切られた。
引用 https://newsmatomedia.com/okayama-chiteiko
かなり危険度の高い捜査だったので、世間的にも関心を集めていたこの”事故”。
しかし、いまだに「事件」として記憶されているのは、他に原因があったんです。
最大の謎は、サークル部長と副部長の不可思議な言動です。
- 入洞届を提出してない
- 5人いたのに地底湖で泳いだ(泳がされた)のは被害者の1人だけ
- 溺れるところを誰も目撃してない
- 溺れた時の状況説明がニュースソースによってコロコロ変わる
- 「タッチした」という声は聞こえたのに、助けを求める声などは一切聞こえなかった
- 救助活動を行わず現場に誰も残さないまま全員帰ってきた
- 「探検に必要な装備は備わっていた」と強調
- 遭難事故では隊長が記者会見するのが普通だが、逃げ回って記者会見をしない
- 探検部のページから「部長 白米美帆」「副部長 伊藤智子」の名前を真っ先に削除
- いつもは行き過ぎた報道合戦を行うマスコミが今回は部員に全く取材を行わない
- 被害者の知人を名乗る人物が高知大学のリモートホストから2ちゃんに削除依頼
- 被害者のmixiに勝手にログインしてプロフィール・日記を改竄
引用 https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00050117
また、のちに以下のような”伝統”も明らかになったことから、「これは事故ではなく事件だったのではないか」と言われるようになったのです。
地底湖で泳ぐのは探検サークルの伝統だった
高知大学探検サークルでは「日咩坂鍾乳穴 」奥の地底湖で飲み会をして、お酒にまつわる危険行為をすることが伝統行事となっており、その一つとして地底湖の奥の壁まで泳いで「タッチ」と言って戻ってくるというものがあった。
地底湖は奥行20メートル、深さ30メートルという非常に大きなもので、事件の当日もサークルメンバーが名倉祐樹さんだけ衣服を着たまま地底湖で泳いでいたと証言していた。
— 芸能情報.com (@com20402607) January 17, 2019
そして、名倉祐樹さんが地底湖の奥の壁に「タッチ」と叫んだところまでは声が聞こえていたと答え、その後声と姿が見えなくなったと証言している。
名倉祐樹さんは溺れていたのであれば水面で激しく暴れ、「助けて」などの叫び声を挙げていたはずだが、サークルメンバー全員は誰もそうした声を聞いていなかった。
地底湖には湖面からは分からない支流の穴が水面下に空いており、ちょうど名倉祐樹さんが到達したあたりに支流に吸い込まれる急流が発生していた可能性もある。
もし名倉祐樹さんがそうした支流に巻き込まれていたのなら、声を挙げる余裕もなくあっという間に吸い込まれたとも考えられる。
引用 https://newsmatomedia.com/okayama-chiteiko
このサークルでは洞窟合宿に付随して「穴祭り」と呼ばれる乱痴気騒ぎをしていたこともわかっており、事故前夜もメンバーの多くが酩酊していたのではないかという疑いももたれています。
( ⇒ 参考:都市伝説 地底湖で起こった大学生行方不明事件の闇が深くて怖い)
サークルのメンバーは男性が15人、女性が10人で非常にサークル内恋愛が起きやすい環境にあったため、「痴情のもつれから名倉祐樹さんは事故を装って殺害されたのではないか」なんて説もあったほど。
・・・このようなブラックな背景があったため、「岡山」「洞窟」「大学生」と聞くと咄嗟に2008年の行方不明事件を連想してしまう方が多いというわけです。
まとめ
岡山県高梁市で、洞窟探査をしていた大学生が亡くなった事故についてまとめました。
ポイントを整理します。
- 2020年12月13日、岡山県高梁市川上町高山市の山中で、洞窟探査をしていた京都市右京区の大学生磯野祐紀さんが崖下で倒れているのが発見され、死亡が確認された
- 岡山県内では過去(2008年)にも大学生サークルによる事故が発生している
- 2008年の事故では様々な謎も残されており、今でも「岡山地底湖行方不明事件」として語り継がれている
Twitterやインタビュー記事を拝見する限り、亡くなった磯野さんは探検に情熱を燃やしている青年だったように感じます。
「自分の目で、地図にない新しい世界を見つけたい」そんな野心に燃えていたのでしょうか。
熱い魂を持つ若者をまた一人失ったことが、個人的にもとても残念です。
立命館大学の探検部は1960年の創部という由緒あるサークルで、とりわけ洞窟探検の技術は全国トップクラスなのだとか。
巨大洞窟の内部にカメラが入るNHKの番組収録に協力した実績もあるそうなので、そのノウハウはしっかり継承されていたはずです。
いったい磯野さんの身に何があったのか、今後の捜査に注目していきましょう。
改めまして、亡くなった磯野さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
最後までお読みいただきありがとうございました!