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水虫薬「MEEK」に睡眠導入剤が混入!入院中だった70代女性が死亡。「ベンゾジアゼピン系睡眠剤リルマザホン塩酸塩水和物」ってどんな成分なの?1錠あたり5㎎の混入がどれだけ危険か知っておきたい!

小林化工 睡眠薬混入事件

今日取り上げるのは、爪水虫などに効く飲み薬に睡眠導入剤の成分が混入し、70代の女性が亡くなった事件についてです。

問題となっているのは、小林化工(福井県あわら市)が製造した「イトラコナゾール錠50 MEEK」という薬。

死亡したのは首都圏で入院中だった70代の女性で、1錠に混入した同剤の成分は通常の最大投与量の2・5倍にあたる量だったそうです。

同社は2020年12月11日に会見を開き、第三者によって原因究明を進め再発防止に努めるという旨を発表しています。

事件の概要をまとめると共に、MEEKに混入していた具体的な成分の名称や性質についても見ていきますので最後までお付き合いください!

福井県・あわら市 水虫治療薬「MEEK」 睡眠導入剤混入事件の概要は?

事件について報じた朝日新聞デジタルの報道内容を元に事件の概要についてまとめます。

2020年12月11日夜、小林化工(福井県あわら市)は、爪水虫などに効く飲み薬に睡眠導入剤の成分が混入し、服用後に入院していた1人が10日に死亡したと発表した。

小林社長らは、死亡したのは首都圏で入院中だった70代の女性であることを明らかにした。

今後、第三者によって原因究明を進め、再発防止に努めるという。

同社によると、1錠に混入した同剤の成分は5ミリグラムで、通常の最大投与量の2・5倍にあたる。

出荷前の品質検査で混入に気づけなかったとしている。

引用 https://news.yahoo.co.jp/articles/e27cb04e126b5a7b8061d2f9131d02aaf3c537f3

参考動画はコチラ↓↓

水虫の薬を飲んで死亡するなんて、「まさか」という感じですよね。

小林社長は「ダブルチェックが行われていなかったということが、一番大きな理由かと思っております」と語っていましたが、これは一作業者の問題ではなく、会社全体のあり方をみなおさないといけないレベルの問題では!?と思ってしまいました。

製造ラインの問題だけではなく、品質管理は大丈夫?もしかして試験検査の結果も捏造していたのでは・・・なんて疑ってしまいますね。

ネットでも、当然ですが痛烈な批判の声、会社の体制について疑問視する声が多かったのが印象的です。

(Yahoo!ニュース コメント欄より引用)

水虫薬って聞いて塗り薬を誤飲したのかと思ったら、睡眠薬成分の混入って…。
混入した成分の睡眠薬を調べたら結構きつめの睡眠薬やった。
飲んだら眠いとか思う間もなく寝てしまうやつ。
布団に入ってから飲まないと、真冬に布団に入らずに床で寝てしまってたことあるくらい。
用法用量を医師の指示をちゃんと守って飲んでて、ある程度耐性ついててもこの状態。
それを耐性もない、高齢者がいきなり最大用量の20倍とか飲んだら急性薬物中毒で亡くなるかも。
医療機関で、どこのジェネリックを採用するか決める立場にいる者です。
小林化工さんは割と欠品が少なくて、今までどちらかというと信用してた方なんです。
でも、もう小林化工はいくら安くても買いません。
被害者へ充分な補償をしたあとは消滅してもらい、こういうことをすると企業は倒産するということを世の中に示して他社の戒めとなることが、この会社に残された最後の役割でしょう。
以前、別の製薬工場に勤務してました。
そこでは、
①覚せい剤・向精神薬は鍵付き倉庫に保管。
②秤量は必ず社員も含めてダブルチェック。
③覚せい剤・向精神薬の秤量と使用後の残量確認は鍵の保管責任者(管理職以上)の立ち会いの元、実施。
④覚せい剤・向精神薬を製造室に置いたまま部屋を出る際は、部屋の入口に鍵を掛ける。
そのように取り扱っていました。
通常の製薬工場では小林化工のような混入は絶対に出来ない運用になっています。
小林化工は、従業員の意識と会社組織そのもの体制に重大な問題がありますね。

現場について

小林化工本社は福井県あわら市矢地5−15にあります。

「MEEK」ってどんな薬?混入していた成分とは。

個人的に「怖いな」と感じたのは、ヤフコメにあった以下のコメントです。↓↓

>同社によると、1錠に混入した同剤の成分は5ミリグラムで、通常の最大投与量の2・5倍にあたる。

なんだかこのコメントを読むと通常の睡眠導入剤の量(2mg)の2.5倍で亡くなってしまったかとの印象を受けますがそうではありません。
一錠につき2.5倍の量です。

爪水虫の治療として服用する場合、今回、誤混入が公表されたイトラコナゾール錠50「MEEK」は通常、一度に4錠飲みますので、最大量の10倍の量の睡眠導入剤を飲んだことになります。
このことは、小林化工が発表したリリースにも載っています。
(「医療関係者様へ イトラコナゾール錠50「MEEK」に関する重要なお知らせ」で検索すると出てきます)

マスコミも、この会社のマスコミ向けの説明をそのまま書くのではなく、このような詳しい状況をきちんと報道してほしい。

通常の10倍以上の量の睡眠導入剤、しかも70代の高齢者となれば、ただ事ではありません。

この点については朝日新聞の記事は説明不足ですし、「MEEK」という薬についてあまり調べていなかったのかな?という印象を持ってしまいました。

実際に小林化工の公式サイトをのぞいてみると、以下のような謝罪文が掲載されています。

『イトラコナゾール錠 50「MEEK」』を服用された
患者様がお亡くなりになられました

本日、弊社が製造販売した経口抗真菌剤『イトラコナゾール錠50「MEEK」』(ロット番
号:T0EG08)を服用された患者様1 名が12 月10 日にお亡くなりになられたことが判明
しました。患者様のご冥福をお祈り申し上げると共に、ご遺族様には謹んでお悔やみ申し
上げます。

本製剤は、本来含まれるべきではないベンゾジアゼピン系睡眠剤リルマザホン塩酸塩水
和物が混入したため、自主回収を行っている薬剤です。本製剤と死亡の因果関係を含め詳
細な調査を早急に進めてまいります。

弊社は、患者様がお亡くなりになったことを極めて重く受け止め、改めまして心より深
くお詫び申し上げます。

引用 https://www.kobayashikako.co.jp/news/2020/201211_itraconazole50.pdf

この「ベンゾジアゼピン系睡眠剤リルマザホン塩酸塩水和物」という物質はどんなものなのか?

薬品の説明サイトには、注意すべき点として以下のようなことが記されていました。

禁忌

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 急性閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
  • 重症筋無力症の患者[重症筋無力症の症状を悪化させるおそれがある。]
原則禁忌

次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること

肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期等で呼吸機能が高度に低下している場合[炭酸ガスナルコーシスを起こしやすい。(「副作用」の項参照)]

使用上の注意

慎重投与

  • 衰弱者[作用が強くあらわれる。]
  • 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
  • 心障害のある患者[心障害が悪化するおそれがある。]
  • 肝障害、腎障害のある患者[肝障害、腎障害のある患者では一般に排泄が遅延する傾向があるので、薬物の体内蓄積による副作用の発現に注意すること。特に、腎不全患者では少量から投与を開始することが望ましい。]
  • 脳に器質的障害のある患者[作用が強くあらわれる。]

引用 https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00050117

今回、亡くなった女性は「入院中だった」とのことなので、高齢であることに加えて肺気腫や心障害、肝障害、腎障害などの持病があったのかもしれませんね。

また、小林化工の公式サイトを見ると、他にも様々な健康被害の報告が寄せられているようです。

MEEK 健康被害
これまでに認められた主な症状

眠気、頭部ふらつき感、傾眠、意識障害、転倒、意識消失、めまい感、記憶障害、ろれつ不良、倦怠感、意識レベルの低下など

引用 https://www.kobayashikako.co.jp/contact/itraconazole_jyokyo.php

これまで認められた症状として「意識レベルの低下」などもあり、車で事故ってる人もいるというのがなんとも恐ろしいです・・・。

年齢や持病の有無に関係なく、誰にでも健康被害が出る可能性があるわけですから、「水虫薬の副作用なんてたかが知れてる」と甘く見ているととんでもないことになりますね。

まとめ

小林化工が製造した水虫治療薬に睡眠導入剤の成分が混入し、服用した70代の女性が亡くなった事件についてまとめました。

ポイントを整理します。

まとめ
  • 小林化工(福井県あわら市)は、爪水虫などに効く飲み薬「MEEK」に睡眠導入剤の成分が混入し、服用後に入院していた1人が死亡したと発表した
  • 混入した成分は「ベンゾジアゼピン系睡眠剤リルマザホン塩酸塩水」で、1回あたりの服用(4錠)で最大量の10倍の量の睡眠導入剤を飲んだ計算になる
  • 既に100を超える健康被害が報告されており、服用後に事故った人もいる

車を運転中に意識不明になった人も複数人いるという報道もあり、重大事故にもつながりかねないミスでした。

人命に関わる問題であり「見過ごした」「間違った」では決して済まされないことですし、「日本製の薬だから安心だろう」という信頼を裏切る形になってしまったと言っても過言ではないでしょう。

改めて、薬の恐ろしさについて痛感させられる事件です。

亡くなった女性のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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