今日取り上げるのは、北海道・苫小牧市で幼児の遺体を自宅に放置していた28歳の母親が逮捕された事件についてです。
無職・徳田愛美容疑者(28)が「死んだ子どもを自宅に置いたままです」と苫小牧警察署に出頭。死体遺棄の疑いで逮捕されました。
遺体は1歳半~3歳くらいで死後半年以上経っていたとのこと。
2019年にはオムツをはいて外を歩く徳田容疑者の子どもが保護されたこともあり、近所の方も異変を感じていたようです。
事件の概要をまとめると共に、「虐待かも」と思った時は警察に通報すべきか?それとも児童相談所が先か・・・という問題について掘り下げてみたいと思います。
最後までお付き合いください!
北海道・苫小牧市 幼児死体遺棄事件の概要は?
HTB北海道ニュース、北海道ニュースUHBの報道内容を元に、事件の概要についてまとめます。
2020年11月30日午前、北海道苫小牧市で、徳田愛美容疑者(28)は「死んだ子どもを自宅に置いたままです」と苫小牧警察署に出頭した。
遺体は1歳半から3歳半ほどで、ビニール袋に包まれて見えないように置かれていた。(徳田容疑者と同居する男の子だったとみられている)
死後半年以上経過しており、徳田容疑者は「子供は1月に死んだ」と話している。
警察によると、亡くなった幼児と、徳田容疑者の子ども2人のうち1人の出生届が出されていなかった。
近所の人の証言
- 「オムツを履いたまま、はだしで歩いていて、とりあえず家に入れようと。(徳田容疑者は)すみません、すみませんありがとうございますって」
- 「徳田容疑者は1人で子ども3人を育てていた。町内会では2019年5月、アパートの片づけを手伝ったこともあった」
- 「町内会でも、見過ごしてはいけないね、子どもたちの顔の見られる町内会にしようと塾を開いて、塾を開くときに誘いに行ったんです。通っていたらお母さんと話が出来て少しでも役にできたんじゃないか」
引用 https://news.yahoo.co.jp/articles/505dab2e7a101d8382fd4e6b96dfd5de0832bc49
引用 https://news.yahoo.co.jp/articles/27806e0d5252b4cd187a4c7c20823d40b01ec48e
参考動画はコチラ↓↓
続いて、容疑者についての情報です。
名前 徳田愛美
年齢 28歳
住所 北海道苫小牧市
職業 無職
Facebook 同姓同名、住所も苫小牧のアカウントがありましたが、本人とは断定できないため掲載は控えさせていただきます。
亡くなった幼児の父親に当たる人物の情報が全く出てきませんが、徳田容疑者はたった一人で3人の子供を育てていたとのこと。
近所の方の証言にもあるように、一人では抱えきれていなかったように見えます。
母親に付き添われて出頭したということですが、このお母さんは子育てに協力的ではなかったのでしょうか?
また、幼児の父親はどこに行ったのか?
近所の方も気にかけてアプローチしていたようですが、このような残念な結果になってしまいました。
ネットでは、「誰か児童相談所に連絡しなかったのか?」という点を疑問視する声が多く上がっています。
(Yahoo!ニュース コメント欄より引用)
スラム都市苫小牧は厳しい状況のお子さんがまだたくさん居ると思います。早期の児相開設を望みます。
こうやって周りが助けてあげようとしても本人にその気がないとどうすることもできない。
大人なら勝手にさせておけばいいけど子供は強制的に保護できる仕組みにしないとこの手の事件は防げないと思う。
現場について
事件は北海道苫小牧市のアパートの一室で起きました。
問われる罪は?
徳田容疑者は「死体遺棄」の容疑で逮捕されています。
(死体損壊等)
第百九十条 死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する。(引用元:刑法 第190条)
「虐待かも?」と思ったらどこに連絡すべき?警察か、児童相談所か・・・
「以前から異変を感じていたのに、誰も児童相談所に連絡しなかったのか?」
ヤフコメにはこんな意見が数件投稿されていました。
調べてみたところ、苫小牧市には児童相談所がなく、室蘭の児童相談所が管轄になるようです。
まずはその点で、「連絡していいのかな」と迷いが生じた方も多かったのかもしれませんね。
基本的に、警察に連絡すれば児童相談所にもつながるはずですが、その連携がうまくいっていなかったのでしょうか。
では、ダイレクトに児童相談所に連絡するとどんなメリットがあるのか。
児童相談所は虐待の「疑い」の段階から動く
児童相談所は子どもが虐待されている「疑い」の段階から調査をする権限を持っていますし、それが職務です。
「ちょっと心配な子どもがいて、相談したいんです。」というお電話もたくさん受けますが、その内容から虐待が疑われれば、「相談」という言葉であっても児童相談所は調査します。
(児童相談所が動く例)
- 「子どもの通っている保育園で、お迎えの時にお母さんが子どもを叩いているのを見て、心配で。」⇒、保育園に連絡を入れ、親子の様子を聞いたり、お迎えの時間に合わせて保育園を訪問して、実際に叩かれているのか、親子の様子を確認。
- 「小学生の子どもの同級生が『お父さんに毎日叩かれる』と言っているみたいなんです。」⇒ 学校に直接子どもの話を聞きに行き、子どもの話の内容次第では、親の許可なく、学校から子どもを保護する権限も児童相談所は持っている。
引用 https://news.yahoo.co.jp/byline/yamawakiyukiko/20200120-00159646/
「うちの子は発達障害で育てにくいタイプなだけなのに、泣き声から虐待を疑われ、通報されてしまった」
そんな書き込みもあったりするので、警察や児相に電話する際には「本当に虐待なのかな?違ったらどうしよう」と迷いも生ずるでしょう。
しかし、もし違ったとしてもそれを確認できただけでも意味があるのだ、と上記サイトには書いてあります。
今回のように、「警察は知っていたのに」「なぜ児童相談所が動かなかったのか」という議論は過去にも度々生じていますが、埼玉県のように警察と児相がリアルタイムで情報共有している県もあるんですね。
全国的に児童虐待事件が相次ぐ中、埼玉県は、県が管轄する児童相談所が把握した全ての虐待事案を、県警の各警察署とリアルタイムで情報共有するシステムを構築した。
県によると、全国初の試みという。
県は2018年8月から、児相が把握した全虐待事案を県警と共有しているが、各警察署は県警本部を通じて子どもの氏名や住所、虐待の種別といった内容を確認しなければならず、情報更新も月に1回だった。
これに対し、新システムは対象の子どもごとに過去の通告状況や一時保護歴など、より詳細な情報が1時間おきに更新され、県内39の全警察署から閲覧できる。
例えば、虐待の恐れがあるとの通報を受けた署員が署内の端末から直接情報を確認し、速やかに児相と連携、保護することができる。
引用 https://sukusuku.tokyo-np.co.jp/life/25770/
子どもが親などから虐待を受けたとして児童相談所が対応した件数は2019年度、全国で19万件を超え、過去最多を更新しています。
コロナ渦で2020年はこの数字を更新する可能性もありますし(1~7月の対応件数は115,969件で月平均は16,567件)
警察も児相もいっぱいっぱいな状態だと思いますが、こういった連携システムが全国的に普及すれば情報共有もよりスムーズになり一人でも多くの子供を救うことができるのではないでしょうか。
まとめ
北海道・苫小牧市で、幼児の遺体を遺棄した疑いで28歳の母親が逮捕された事件についてまとめました。
ポイントを整理します。
- 2020年11月30日、北海道苫小牧市の徳田愛美容疑者は子どもの死体を遺棄した疑いで逮捕された
- 遺体は1歳半から3歳半ほどで、死後半年以上経過しており、ビニール袋に包まれて見えないように置かれていた
- おむつ姿で外を歩く子供の姿なども目撃されており、保護されたこともあった
- 警察と児童相談所の連携システムの普及により、虐待の通報に対してより確実に、スムーズに対応できる可能性がある
個々の家庭にはそれぞれ事情があり、他人がどこまで踏み込んでいいのか・・・というのは難しい問題ですよね。
しかし、親から子どもへの「しつけ」はエスカレートする危険性をはらんでいます。
今は通報すべきか迷うレベルだったとしても、数ヶ月後には子供の命を奪うような暴力に発展するかもしれません。
些細なことでも「あれ?」と違和感を覚えることがあれば相談してみましょう。
また、もし「子供に対してイライラしてしまうのを抑えられない」「子供に手を上げてしまう」という悩みを抱えているならば、コチラの動画がおススメです!
あの徳川家康も、「怒りは敵と思え」という遺言を残しているそうです。
筆者もキレやすい性格なので、イラっときた時はこの言葉を何度も声に出して唱えるようにしていますよ!
改めまして、亡くなった男の子のご冥福をお祈り申し上げます。
最後までお読みいただきありがとうございました!