今日取り上げるのは、栃木県矢板市下伊佐野の観光名所「おしらじの滝」で男性2人が亡くなった事故についてです。
二人は、水面からの高さが約30センチの岩の上から、滝つぼに足から飛び込んだと見られています。
このような事故は度々起こっていますが、「滝つぼ」とはどのような場所で、なぜ危険なのでしょうか。
事故の概要をまとめると共に、滝つぼの危険性や夏のレジャーの注意点についても見ていきますので最後までお付き合いください。
栃木県矢板市 「おしらじの滝」飛び込み事故の概要は?
事件について報じた下野新聞SOONの報道内容を元に、概要をまとめます。
- 2020年8月18日午後5時過ぎ、栃木県矢板市下伊佐野の観光名所「おしらじの滝」で「仲間の男性2人が川から上がってこない」と110番通報があった
- 警察などが捜索したところ、23歳と18歳の男性が滝つぼの底に沈んでいるのが見つかった
- 2人は意識不明の重体で搬送されたが、その後に死亡が確認された
- 2人は男女4人で群馬県前橋市から遊びに来ていた
- 一緒に来ていた女性は「2人は水面から30センチほどの高さから飛び込み、滝つぼから上がってこなかった」「SNSを見て、(亡くなった)2人が『自分たちもやってみよう』と言っていた」などと話している
- 滝つぼの深さは約2メートルで、立ち入りが禁止されていた
引用 https://news.yahoo.co.jp/articles/66bfb3f7b97ad34f92a652ac7a737530e5a9af66
参考動画はコチラ↓↓
こちらが、亡くなった二人が飛び込んだおしらじの滝の滝つぼです。

普段は水が流れておらず、雨が降ると現れる「幻の滝」と呼ばれ、観光スポットになっています。
矢板市は2019年度、周囲をロープで区切り、立ち入り禁止の看板を設置して安全対策を講じてきたとのことですから、市としても「危険な場所だから入って欲しくない」という認識だったわけですよね。
今年、同じようなことは全国各地で起きており、各自治体のトップたちは頭を悩ませているようです。
その原因としては、新型コロナウィルスの影響で旅行をはじめとするレジャーが制限されたことが考えられるでしょう。
近場の川、海、山などアウトドアを楽しむ方が急増し、「立ち入り禁止」のロープを無視して海に入ったり、BBQのゴミを放置して帰ったり・・・といった問題行動が各種メディアでも連日報じられています。
こういった流れを受けてか、今回の事件についてはネットでも厳しいコメントが寄せられていました。(Yahoo!ニュース コメント欄より引用)
誠に不謹慎で申し訳ない、またご家族ご友人には申し訳ないが
このような軽率な行為、人様に迷惑をかけなかったことはせめてもの救いだと思います。
事故現場について
事故は栃木県矢板市下伊佐野の観光名所「おしらじの滝」で起きました。
滝つぼとは?なぜ危険なの?
今回のように、「滝つぼに飲み込まれて亡くなる」という事故は過去にも度々起きています。
改めて、「滝つぼ」とはどのようなものなのでしょうか?
危険性①
- 事故が起きてしまうような滝壺の中は、深くえぐられていて、また水深も深くなっている
- そこには、複雑な流れの渦巻きが発生しており、その流れに入ると、簡単に出れなくなる場合がある
- そこでパニックになったりすると、大変危険な事態になる
危険性②
- 下流に滝がある川だと、滝のある付近の流れは非常に速く、大人でも簡単に流されてしまうことがある
- 滝つぼの底が低ければ、流されて滝つぼに落ちた人が頭を打ったりして意識を失う可能性がある
- 意識を失えば、簡単に溺れ、溺死する
- 流木だけでは無く、石や岩が落ちて来る事も考えられる
- また、長時間水の中に浸かっていると、低体温症になり、死に至るケースも考えられる
引用 https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1244662807
「雨が降った時しか現れない滝」ということで甘く見ていたところがあったのかもしれませんが、自然は生き物。
常に変化していくものであり、その速さは私たちの想像を超えています。
「立ち入り禁止」「危険」と書かれている場所には、ちゃんと意味があってその看板が立っているのです。
外から見て穏やかに見える渓流であっても、水中では渦を巻いていてものすごい水圧になっている場合もあるので、決して油断してはいけません!
この事故は「SNSの真似をして・・・」という点で世間の関心を集めており、コメント数も非常に多いです。
「バカなことをした人がいたもんだな」と他人事で済ませるのではなく、いかに自然が怖ろしいものであるか認識を改めるキッカケにして欲しいと思います。
まとめ
以上、栃木県矢板市の「おしらじの滝」で起きた死亡事故についてまとめました。
ポイントを整理します。
- 栃木県矢板市下伊佐野の観光名所「おしらじの滝」で23歳と18歳の男性が滝つぼに飛び込んで亡くなった
- 2人はSNSを見て真似をしたものとみられる
- 滝つぼの内側には複雑な流れの渦が巻いていることがあり、表から見るよりもずっと危険度は高い
「人のカラダは水に浮くから大丈夫」
と、川での水遊びを軽く見ている方も多いですが、人の身体は淡水だと非常に浮きにくいです。
足のつかないプールで立ち泳ぎをしてみると分かりますが、結構な労力を使いますよね。
深さ2mの滝つぼで、水面に顔を出すことさえままならないような急激な流れに飲み込まれてしまったらどんなことになるか・・・ちょっと想像してみればわかるはず。
「滝つぼや川だと気泡も含む事があり、相対的に浮力がなくなってしまう」という説もありますので、「カラダは浮くから大丈夫」と過信するのは危険です。
改めて、亡くなった2人のご冥福をお祈り申し上げます。
ここまでお読みいただきありがとうございました!