今日取り上げるのは、広島市南区の住宅で、89歳の女性が胸を刺されて死亡しているのが見つかった事件についてです。
亡くなったのは、この家に住む津下英子さん。
警察は、津下さんと同居している息子の津下英範容疑者(48)を殺人の疑いで逮捕しました。
合わせて数十カ所の刺し傷や切り傷があったことから、強い殺意があったと見られるこの事件。
親子にどのようなトラブルがあったのでしょうか。
事件の概要をまとめると共に、日本で親族間殺人が多い理由についても見ていきますので最後までお付き合いください。
広島市 89歳女性殺害事件の概要は?
事件について報じた広島ホームテレビ、テレビ新広島、中国放送の報道内容を元に、概要をまとめます。
- 2020年8月12日の夕方、広島市南区翠の住宅で「母親が倒れている」と同居する息子から警察に通報があった
- 警察が駆け付けたところ、この家に住む津下英子さん(89)が刃物のようなもので胸などを刺され死亡していた
- 司法解剖の結果、死因は失血死だった
- 胸には複数の刺し傷があり、両腕などには抵抗したときにできたとみられる傷もあった
引用 https://news.yahoo.co.jp/articles/35079e97664819eb1079c3548f4fa2b849cf2bcb
引用 https://news.yahoo.co.jp/articles/8a05673fece17cf24db595477c7bdfe6fff6d7ce
- 8月14日の夜、警察は津下さんと同居している息子の津下英範容疑者(48)を殺人の疑いで逮捕した
引用 https://news.yahoo.co.jp/articles/d41d94bef47946b32332f8effbe8df46312370fa
参考動画はコチラ↓↓
続いて、容疑者の情報です。
名前 津下英範(つげひでのり)
年齢 48歳
住所 広島市南区翠の住宅で英子さんと同居
職業 無職
Facebook 本人のものと見られるアカウントは見つかりませんでした。
89歳ですから、もうかなりの高齢ですよね。
おそらく動くこともままならなくなりつつあったであろう母親を、刃物でめった刺しにする・・・そこにはどんな心理があったのでしょうか。
まだ詳しい動機などは明らかにされていませんが、日本で起きている殺人事件の約5割強は「親族間」だという衝撃的なデータもありますし、実はこの手の事件は珍しくはありません。
警察庁が公表したデータによれば、2016年に摘発した殺人事件(未遂含む)のうち55%、つまり半数以上が、「親族間殺人」だった。
いまの日本の家庭や親族内での人間関係が、いかに薄氷の上で危うげに保たれているかを、思い知らされるデータではないだろうか。
引用 https://ddnavi.com/review/384272/a/
法務省が発表しているデータでも、以下のように殺人事件の「親族率」は5割を超えています。
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引用 http://www.moj.go.jp/content/000112398.pdf
動機としては「憤怒」が多いので、いわゆる「つい、カッとなって」=衝動的に首を絞めたり刺したり・・・・ということが多いことがわかります。
今回はどのような状況だったかはわかりませんが、亡くなったお母さんの年齢から考えると介護の問題などもあったのでしょうか。
それにしても、「数か所刺す」というのは憤怒に加えて「怨恨」の感情も見て取れますね。
48歳で無職とのことですが、引きこもりのような状態にあった可能性も考えられます。
仕事やお金のことで口論になったのか。
はたまた、介護疲れによる殺人なのか。
詳細がわかりましたら追記していきます。
問われる罪は?
今回の事件では、英範容疑者は「殺人」の罪で逮捕されています。
(殺人)
第百九十九条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。(引用元:刑法199条)
事件現場について
事件は広島市南区翠の住宅で起こりました。
もしかしてこれが原因?日本で「家族間殺人」が多いワケ
では、なぜ日本では親族間の殺人が多いのでしょうか。
これについて、面白い考察をしているサイトを見つけましたのでご紹介します。
就学前の乳幼児の世話を担うべきは家族か、それとも社会か?
- 日本の場合、対象者の76.5%が「家族」と答え、「政府機関」という回答は11.1%しかいない
- これに対し、北欧のスウェーデンでは「家族」が10.4%、「政府機関」が82.5%となっている
- このことから、日本は「家族(私)」型、スウェーデンは「社会(公)」型の保育と特徴付けられる
こうした国民の意識は、現実の制度にも反映されている
- スウェーデンでは、希望者の子どもを保育所に受け入れるのは自治体の法的な義務で、日本でいう待機児童はほぼ皆無
- それゆえ、幼い子がいる夫婦であっても共働きがほとんど。社会のチカラによって、女性の社会進出が後押しされている
- 対して日本では、幼子の保育は家族(私)に押しつけられ、女性は家庭に縛られている
家族のチカラは弱体化している日本
- 昔と違って小規模化や核家族化が進行し、家族のチカラは弱体化してきている
- にもかかわらず、「幼子や老人の面倒は家族が見るべし」という意識は旧態依然のままである
- このギャップによって、虐待や介護殺人といった家庭内の悲劇が生じているともいえる
- 最近の日本では、殺人事件のおよそ半分は家族間殺人である
- 家族の構造変化を踏まえ、日本の保育や福祉も「私」型から「公」型へと移行すべき時期にきているといえる
引用 https://president.jp/articles/-/20371
幼子の面倒は誰が見るのか?
親の介護は誰がするのか?
いい年して働かずに家にいる子供をどうすれば良いの?
永遠になくならないであろうこのテーマについて、「それは家族の問題だろう」「他人がどうこうできる問題じゃない」と言われて誰もが黙り込んでしまう・・・そんな世の中を変えない限り、親族間殺人の問題は解決しないのかもしれません。
ネットの反応は?
今回の事件について、ネットではどのような声があったでしょうか。
広島市南区の老女殺人事件、「母が倒れている」と警察に通報した息子(48)を殺人容疑で逮捕。これはご近所も親戚も、なお辛いなあ。
— にゅるりら (@yurunyuru) August 14, 2020
広島南署が殺人事件とみて現場検証 広島市南区の女性死亡、近隣住民「びっくり」 https://t.co/Z1X3bqZG50
物盗り的な記述もないし、やっぱ「おまえもいい年なんじゃけぇ、そろそろ自立しんさ…」「うるせェ逝こう!!!(包丁どんっ!!!)」って感じ…?なんにしても、近くで事件あるの怖いね😨
— 優貴 (@NEDIHS1) August 13, 2020
通勤する時に必ず通る国道に面した家だったのでびっくりでした。素人考えですが、人通りのそこそこ多い目立つ場所なので、強盗は無いだろうと思ってましたが・・。
広島市南区の女性死亡、同居の息子逮捕 殺人疑い(中国新聞デジタル)#Yahooニュース
https://t.co/FKqrOinNZG— リョータ441ψ(`∇´)ψ (@disc02) August 14, 2020
まとめ
以上、広島市南区で89歳女性の殺人事件についてまとめました。
ポイントを整理します。
- 広島市南区翠の住宅で89歳の津下英子さんが刃物で刺されて死亡していた
- 同居する息子、津下英範容疑者が逮捕された
- 日本の殺人事件の半数以上は親族間で起きており、その背景には旧態依然のままの政府の体制の問題もある
一番近くて、一番遠い。
一番の味方であって、実は一番の敵でもある。
「家族」とは不思議な存在です。
どんな時も味方でいて欲しい存在なのに、時に、今回の事件のように自分の存在自体を全否定されてしまうこともあるのですから、家族とは実は一番怖い存在なのかもしれません。
亡くなった英子さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
詳細が分かり次第、追記していきます。
ここまでお読みいただきありがとうございました!