今日取り上げるのは、 東京・大田区で、24歳の母親が3歳の娘を自宅に放置して死亡させた事件についてです。
梯稀華ちゃん(3)が飢餓状態で死亡し、実の母親である梯沙希容疑者(24)が保護責任者遺棄致死容疑で逮捕されました。
梯容疑者は自宅に稀華ちゃんを一人残したまま8日間にわたって鹿児島に旅行に出かけていたとのこと。
「放置しても大丈夫だと思った」と供述しているそうですが、普通に考えたら3歳の子どもが1週間も飲まず食わずで過ごせるはずがありません。
梯容疑者の精神状態はどのようなものだったのか、日常的にネグレクトがあったのか、また、誰かサポートしてくれる人はいなかったのか?
現場の状況や事件の背景に考えられる動機、「これはネグレクトではないか?」と思った場合の判断基準や対処法についてもまとめていきますので最後までお付き合いください。
東京・大田区 3歳女児置き去り死亡事件の概要は?
事件について報じた読売新聞の報道内容を参考に、概要をまとめます。
- 梯沙希容疑者は、2020年の6月5日~13日の8日間、自宅マンション室内に長女の稀華(のあ)ちゃんを1人で残したまま8日にわたって鹿児島に旅行に出かけた
- 鹿児島では知人男性と過ごし13日の午後に帰宅、「子どもが息をしていない」と自ら119番した
- 救急隊が駆けつけた際、室内は空のペットボトルなどのゴミが散乱し、稀華ちゃんはおむつをはいた状態でマットレスの上に横たわっていた
- 司法解剖の結果、稀華ちゃんは死後数日が経過していた
- 体にあざなどの目立った外傷はなかったが、極度の脱水状態で、胃の中は空っぽだった
- 体重も3歳児としては軽く、普段から食事を十分に与えられていなかった可能性もある。
- 梯容疑者は以前にも稀華ちゃんを残して数日間、自宅を留守にしたことがあったといい、警視庁がネグレクトの実態を調べている。
引用 https://news.yahoo.co.jp/articles/24b697f93cf6ace4d860b0d612df76e839affb9d
参考動画はコチラ↓↓
続いて、容疑者の情報です。
名前 梯(かけはし)沙希
年齢 24歳
住所 東京都大田区蒲田のマンション
職業 居酒屋店員
Facebook 本人だと思われるアカウントはありませんでした。
ただ、一部報道ではインスタグラムの写真が出ていました。
(@sakincho__chocho に同じ写真が掲載されていますので、コチラが梯容疑者のものとみて間違いないと思います。)
#梯沙希#インスタ#特定
梯沙希の素顔画像とインスタが特定される!Facebookや彼氏の顔写真、勤務先の飲食店についても調査! https://t.co/CadiEQuI1e— 話題ニュース shuly (@dhhnO03IuWESAED) July 7, 2020
梯容疑者のものと思われるインスタグラムを遡って最初から見てみましたが、最初の投稿は2018年4月1日。
約2年ほど前ですから、亡くなった稀華ちゃんはすでに生まれていたことになります。
しかし、2020年6月3日の最後の投稿に至るまで、子供のネタは一切出てきません。
筆者もSNSには子供の写真は一切載せていないので、その点は共感できます。
おそらく、梯容疑者の中にはこんな気持ちがあったのではないでしょうか。
- 子供のプライバシーを守りたい
- 「母親」としてではなく、「梯沙希」という一人の女性として自分を見て欲しい
- 母である現実を忘れられる場が欲しい
全体的な投稿の内容を見る限りでは、どこにでもいる普通の若い女の子という印象で、言われなければ子どもがいるなんて気づきません。
梯容疑者は、母親になった自分をどこか受け入れ切れずにここまできてしまたのかもしれませんね。
「あついね みんなでたのしいことしたい」
6月3日の最後の投稿には、批判のコメントが続々と寄せられています。
たのしいことしたい、というのはきっと稀華ちゃんだって思っていたはずですよね・・・。
事件現場について
事件は東京都大田区蒲田のマンションの一室で起きました。
問われる罪は?
福島容疑者は、「保護責任者遺棄致死容疑」の罪で逮捕されています。
(遺棄)
第二百十七条 老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者を遺棄した者は、一年以下の懲役に処する。(保護責任者遺棄等)
第二百十八条 老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲役に処する。
(遺棄等致死傷)
第二百十九条 前二条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。(引用元:刑法第218条、219条)
これってもしかしてネグレクト?友達の子供の異変に気付いた場合の対処法
梯容疑者は当初、警視庁の任意の聴取に対し、「稀華ちゃんが数日前から食事をしなくなり、13日昼頃に確認すると体が冷たくなっていた」と虚偽の説明をしていたそうです。
また、以下のような情報もあることから、「ネグレクト」の疑いはぬぐい切れません。
- 梯容疑者は離婚後の2017年7月から現場マンションで稀華ちゃんと2人で生活していた
- 稀華ちゃんは一時保育園に通っていたが、昨年通園をやめていた
- 梯容疑者は以前にも稀華ちゃんを残して数日間、自宅を留守にしたことがあったという、友人の証言がある
引用 https://news.yahoo.co.jp/articles/24b697f93cf6ace4d860b0d612df76e839affb9d
個人的に気になったのは、友人がネグレクトに気づいていたのに放っておいたという点ですね。
気づいていたなら、何かしら対処できたのではないか?稀華ちゃんを救えたのではないか?と思ってしまいます。
警察庁によると、全国の警察が昨年、虐待の疑いで児童相談所に通告した子どもは計9万8222人で、このうち8958人がネグレクトだったとのこと。
判断する基準としては、以下↓↓が参考になるかと思います
【身体的なサイン】
- 子どもの身長・体重が同年齢標準よりも極端に低いまたは軽い
- 冬なのに上着を着ていないなど季節はずれな服装をしている
- 皮膚がかさかさで目の下に黒いクマがある
- 虫歯がある、予防接種を受けていないなど医療的ケアを受けていない明白な兆候がある
- いわゆる「ゴミ屋敷」に住んでいる等、住居が不適切である
- 親の監督不行き届きのためにたびたび危険な行為に参加している
- 不潔な身なりをしている
【行動面のサイン】
- 平日の昼間なのに公園にいるなど、学校に行っていないように見える
- 夜遅くまで外で遊んでいるなど、家に帰りたがらない
- 空腹のため、食べ物をせびったり盗んだりする
- 気だるそうで、何事にも無関心に見える
引用 https://h-navi.jp/column/article/35026418
ただ、上記の基準が全てではありません。
身なりは高価なブランド品を身に着けていて、キッズケータイやゲーム機などを持っていても、親がほとんど子どもを見ていないというケースもあります。
実は筆者の子供の友達にも「この子はもしかして・・・?」と思う子がいますが、経済的には恵まれているように見えますし、そこそこ礼儀正しくて行動にも問題がない。
ですが、小学校1年生のうちから土日も丸一日一人で留守番していたり、平日も夜まで一人でいたりとちょっと心配な要素があり気になっています。
親が仕事でいつもいないので、大雨の日に川にザリガニ釣りに行こうとしたり等、無謀で危ない行動も目立つので、見かける度に声はかけるようにしていますが・・・。
こういったことは、相手の親との関係性もありますし、正直なところ「あまり大事にしたくない」という気持ちもありますよね。
だから、たとえ友達の子供であってもどこかに相談したり通報したりすることをためらってしまうのかもしれません。
その気持ちはよくわかりますが、今回のような悲しい事件を未然に防ぐためにも「これは危ないのでは」と感じたら専門機関に相談しましょう。
利用しやすいのは、全国共通ダイヤル:189(はやく)です。
地域の児童相談所につながりますので、親がsosを出すときにも利用できます。
また、その子がすでに学校に通っている子なら、学校にそれとなく相談してみるのも良いでしょう。
先生たちも、子供たちが放課後の時間をどう過ごしているのかは気になっているはず。
私は、相手の名前は出さずに「放課後、遅くまで一人でいる子がいる」「雨の日に川に行こうとしたこともあり、心配している」と相談しました。
先生たちも、相談されても迷惑かもしれませんが・・・、帰りの会で注意を促してくれるだけでも改善することってありますよね。
その後もそれが原因で子供がいじめられるなどの被害には遭っていないので、やはり学校に相談するというのもアリかと思います!
ネットの反応は?
今回の事件について、ネットではどのような声があったでしょうか。
コイツに言いたいことはひとつだ。
少しでも長く、強く、苦しんで◯ね。
なんの落ち度もない、例え落ち度があったとしても、子供を #虐待 する奴は全員 #地獄 を味わってほしい。#梯沙希https://t.co/RuPFBLIpAg— Zebra laughing (@ZebraLaughing) July 7, 2020
#梯沙希 3歳の娘を置いて一週間も…信じられない。同じ子を持つ母としてほんと、ショック。
ひどく脱水してたそうだから、きっとお母さんを呼んで大泣きしたんだろうな…寂しくて苦しくてお腹も空いて辛かっただろう…そう思うと本当に本当に許せない。親になる覚悟もない奴が子供作るな。— まるぼー (@mariko10501111) July 7, 2020
怖いのが、こうゆうお母さんほど我が子を心から愛していたりするし、居なくなったら生きていけないと本気で思ってる所です。ここまで思考と行動が一致しないのは一種の病気なので、次は自分かもと心当たりのある人は本当に受診して欲しいです。そしてどうか、安全だけは確保してあげて下さい。#梯沙希
— れろ (@2580rero) July 7, 2020
まとめ
以上、東京都大田区蒲田で起きた3歳女児のネグレクト殺人事件についてまとめました。
ポイントを整理します。
- 梯沙希容疑者は、2020年の6月5日~13日の8日間、自宅マンション室内に長女の稀華ちゃんを1人で残したまま鹿児島で知人男性(彼氏?)と会っていた
- 稀華ちゃんは飢餓状態で亡くなっていた
- 友人らの証言などから、日常的にネグレクトがあった可能性が示唆されている
- 「これはネグレクトでは?」と気づいた場合は、早めに専門機関に相談するべき
今回の事件は、「8日間にわたって子供を放置した」「それで大丈夫だと思っていた」という点で梯沙希容疑者の精神状態がまともだったのかどうかも疑問が残りますよね。
インスタの最後の投稿写真の、どこか寂しげな、投げやりな雰囲気で映っている梯容疑者の姿が印象的でした。
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引用 https://www.instagram.com/sakincho__chocho/
この数日後に鹿児島に出かけていることから、この写真の時点ですでに「もう”母親”の役割から逃げだしてしまいたい」と思っていたのかもしれません。
梯沙希容疑者を責めることは簡単ですが、そこまで追い詰めてしまった周りの家族や友達、元夫にも責任はあると思います。
亡くなった稀華ちゃんのご冥福を心からお祈り申し上げます。
最後までお読みいただきありがとうございました!