今日取り上げるのは、愛知県西尾市の公園で生まれたばかりの赤ちゃんの遺体が見つかった事件についてです。
現場の状況から、赤ちゃんは公園のトイレで産み落とされ、その後、遺棄されたと見られています。
遺棄した母親は、20代の専門学生だったということがわかりました。
なぜこのような痛ましい事件が起こってしまったのか。
現場の状況や事件の背景、望まない妊娠の現状や解決策についてまとめていきますので最後までお付き合いください。
愛知県・西尾市 赤ちゃん遺棄事件の概要は?
事件について報じた中京テレビの報道内容を参考に、概要をまとめます。
- 2020年5月2日、午前8時40分頃、愛知県西尾市の市役所に、「近くの公園のトイレから猫のような鳴き声がする」と通報があった
- 市の職員が向かいましたが何も音は聞こえず、鍵がかかっていたため一度、立ち去った
- 約6時間後、再びトイレに行くと鍵はかかっておらず、中は血まみれだった
- その後、近くの植え込みからビニール袋に入れられた生後間もなくへその緒がついた状態の男の赤ちゃんの遺体が発見された
- 捜査の結果、赤ちゃんの母親で20代の専門学生だと判明した
- 現在、この母親は病院に入院している
引用 https://news.yahoo.co.jp/articles/017941525313693681ff6c0a412e161a2b9731f4
参考動画はコチラ↓↓
現場の状況から推測すると、この20代女性はたった一人で赤ちゃんを産み落としたということなのでしょう。
筆者も出産経験者ですが、”病院で””万全の体制で”産むのだって不安でしたし、心身ともにいっぱいいっぱいで何の余裕もありませんでした。
この女性が感じていたであろう恐怖を想うと、いたたまれません。
病院でも自宅でもなく、公園のトイレで産んだというところに、この女性が抱えていた孤独や闇を感じます。
それにしても、鍵がかかっていたならもう少し待って状況を確認してから現場を後にして欲しかったです。
この空白の6時間の間に適切な対処ができていたら、この男の子の命は救えたかもしれません。
それがこの子にとって本当に幸せなことだったのかは別問題ですが。
事件の現場について
事件は、愛知県西尾市住崎の公園で起こりました。
望まない妊娠の現状は?
今回のケースは、明らかに「望まない妊娠」であったと推測できます。
少子高齢化が深刻化する日本においてはこのような事件はできる限りゼロにしていきたいところですが、実際のところ「望まない妊娠」の割合はどのくらいなのでしょうか。
まずはこちらの資料をご覧ください。
「人工中絶」が年間に16万件も行われていることに、ちょっとしたショックを受ける方も多いと思います。
引用 http://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2019/06/132_20190612.pdf
次に、10代に限定して中絶件数の推移を見てみましょう。
引用 http://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2019/06/132_20190612.pdf
減少傾向にあるとはいっても、14歳以下で中絶する子が年間200人以上もいるという事実。
少子化、少子化と騒がれてはいますが、これだけの命が「なかったこと」にされてしまっているのです。
では、その原因は何なのか。
引用 http://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2019/06/132_20190612.pdf
全てがそうではないしても、暴力的性犯罪の件数が年間6918件もあるというのは見過ごせません。
「性暴力⇒望まない妊娠⇒中絶」というシナリオが全てに当てはまるわけではありませんが、相当数の女性がこのような被害で肉体的・精神的なダメージを受けていることが見て取れます。
コロナ渦で望まない妊娠が増えているのは本当か?
今回の事件は、時期的に見て、子どもを宿したのはコロナ騒動が始まる前だと推測できます。
しかし今、コロナの影響で「望まない妊娠」をする女性が増えているのが社会的な問題となっています。
望まない妊娠についての相談を受け付けている相談機関では、「通常は月10件ほどだが、コロナで一斉休校が始まってからの約2カ月間で100件を超える相談があった」とのことです。
原因としては、このようなことが挙げられます。
- 一斉休校となり、親や教師の目の届かない時間帯に性行為をする10代男女が増えた
- コロナ渦による収入減で援助交際に手を出す10代、20代の女性が急増している
- コロナの影響で親の精神状態が悪化し、居場所を外に求める中校生が増えている
- 収入が減る、仕事を失うなどのフラストレーションがパートナーに向けられ、DVの延長上に強引な性行為を強いる
このままでは10代の妊娠が急増してしまうのではないか、と危惧する専門家もいますし、今回のような事件が今後もまた起きてしまう可能性も否定できません。
悲しい事件を防ぐためにも、大事なことは、男女ともに性に関する知識を10代のうちからしっかりと身に着けることです。
引用 http://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2019/06/132_20190612.pdf
生命を育むことは素晴らしいことですが、一方で犠牲にしなければならないことも多いです。
筆者は散々好きなことをやり尽くしてから子供を産みましたが、それでもやっぱり「子供がいるから我慢しなければいけないこと」はたくさんあり、日々、フラストレーションも溜まります。
それが、遊びたい盛りの10代、20代となればなおさらのことでしょう。
友達との時間、青春、夢・・・そういったものを犠牲にしてまでその命を守れるのかどうか?
避妊に「絶対大丈夫」はないので、彼・彼女と行為に及ぶのであればお互いにそこまで考えてからして欲しいですね。
そして、女性の方には、「万が一」の時のために自分を守る方法も知っておいていただきたい。
引用 http://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2019/06/132_20190612.pdf
性犯罪の被害者になってしまった場合、「どうしても人には知られたくない」と思うかもしれません。
それでも、せめて必ず病院には行きましょう。
かなりの確率で妊娠を回避する方法があります。
勇気の要ることですが、あなたを守れるのはあなた自身だけです。
問われる罪は?
今回は、刑法第190条の「死体損壊・遺棄罪」が適用されるでしょう。
(死体損壊等)
第百九十条 死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する。引用:https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=140AC0000000045&openerCode=1#820
ネットの声は?
今回の事件について、ネットではどのような声があったでしょうか。
昨日また悲しい事件が起こってしまった。胸が痛い。私がこの事件を知ったニュースの見出しは
「母親はどこに」
だった。そんなんこの手のニュース見るたびにいつも思ってるわ、
「父親はどこに」
https://t.co/fyznBpCtNm— にじいろ (@beingiscare) June 2, 2020
周産期医療や特定妊婦に関わる者として、一番避けたいことが起きてしまいました…こうなってしまった背景に何があるのか。こうなる前に周りが何かできなかったか。個人の問題にしてはいけないと思います。https://t.co/b69P6b4Q6n
— hibino (@hibino65889725) June 3, 2020
昨日、愛知県西尾市でおきた赤ちゃんの遺棄事件
母親は20代専門学校生
誰にも
相談出来なかったのかな…それとも
相談しての結果…母親、赤ちゃん
とも悲しい事件その赤ちゃんの父親は(´・ω・`)?#ctvcatch
— 高橋明久 (@T_akihisa5920) June 3, 2020
まとめ
以上、愛知県・西尾市で起きた赤ちゃんの遺体遺棄事件についてまとめてきました。
ポイントを整理します。
- 愛知県・西尾市住崎の公園で、へその緒がついた状態の赤ちゃんの遺体が発見された
- 現場の状況から、公園のトイレで産み落とされて遺棄された可能性が高い
- 母親は、20代の専門学生と判明
- コロナ渦で若年女性の望まない妊娠が増えており、同じような事件が起こるのではないかと懸念されている
- 性的な暴力を受けた、あるいは避妊に失敗した場合、かなりの確率で妊娠を回避できる方法がある
この専門学生がしたことは絶対に許されるべきことではありませんが、ただ一つ、この女性がとても孤独な状態であったことは私たちも深刻に受け止めるべきです。
こんな寂しい場所で、たった一人で子供を産み落とす体力と気力があれば、元気な男の子に育て上げることができたかもしれません。
しかし、その可能性を摘んであげられなかったのは、社会全体にも多少なりとも責任はあると思います。
この世に産声を上げて産み落とされる命が全て、祝福されて迎え入れられる世の中になりますように。
亡くなった男の子のご冥福を心からお祈り申し上げます。最後まで読んでいただきありがとうございました。